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愛之助「半沢きっかけに歌舞伎見て」

2013年8月30日

十月花形歌舞伎の成功祈願を行った片岡愛之助=大阪市の高津神社(撮影・石湯恒介)

十月花形歌舞伎の成功祈願を行った片岡愛之助=大阪市の高津神社(撮影・石湯恒介)

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 8月からブログも開始した。ブログ名は「気まぐれ愛之助日記」。本紙で連載しているコラム「片岡愛之助 気まぐれ日記」のタイトルそのまま。「いろいろ考えたんです。でもファンの方がネットで検索してくれたときに“愛之助”“気まぐれ日記”でいろいろ引っかかる方がいいかなと思って」と愛着のあるタイトルを採用した。

 開始のきっかけは「海老蔵君がブログって面白いよって。僕も彼のブログの愛読者で、いつも読んでる。そのうちに勧められて始めた」と明かす。コメントを見るのも楽しみのひとつ。「ほとんどが半沢関係(笑い)。でもこれをきっかけに歌舞伎を見てくれるようになれば」と期待する。

 「歌舞伎って敷居が高いみたいで、チケットはどこで買えばいい?どんな格好で劇場に行けばいい?といった質問を受ける。でも歌舞伎は庶民の娯楽。古典もあれば、新作もある、舞踊劇もある。若い人にも気楽に劇場に足を運んでもらいたい」と熱く語る。実は本紙コラムの第1回目でも同様のことを書いていた。「歌舞伎への思いはずっと同じ。座頭をやれるようになって、興行の怖さもわかる。自分のやりたいことばかりだけでなく、お客様に来ていただいて見ていただける舞台にしたい」。

 10月の舞台はそんな思いがつまっている。昼の部が新作「大坂純情伝」は古典の名作「女殺油地獄」を、大胆にアレンジしたもの。「主人公の与兵衛がぐれるきっかけとなった母親のベッドシーンもあります」と古典にはない新たな試みも。

 そして舞踊は愛之助が4代目家元を務める上方舞、楳茂都(うめもと)流の2代目家元が振付けた「三人連獅子」。「赤と白の長い頭の毛を振り回す連獅子は、まさにザ・カブキ!楳茂都の作品ずっとやりたかったんです」と“家元”としての顔も見せた。

 夜の部「夏祭浪花鑑」は“通し”での上演にこだわった。「歌舞伎は1場面だけ上演することが多いけど、それでは初めての人にはチンプンカンプン。だから通しでやることで、内容がよくわかると思うんです」と歌舞伎とは無縁だったファンの目線に立つ。

 今年41歳。歌舞伎の世界では“40、50は洟垂れ(はなたれ)小僧”という。「ぼくもようやく小僧の仲間入り。これから若いファンを開拓し、関西でさらに歌舞伎を上演できるようにしたい」。売れっ子ゆえに東京や地方でのホテル住まいが続くが、あくまでも拠点は大阪。上方歌舞伎を背負って立つ気概をのぞかせた。

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