龍谷大平安 聖地へあと2 “イメチェン”原田監督で乙訓に五回コールド圧勝
「高校野球京都大会・準々決勝、龍谷大平安11-0乙訓」(23日、わかさスタジアム京都)
京都大会では準々決勝4試合が行われた。龍谷大平安は、今春センバツに出場した乙訓に五回コールド勝ち。こわもてから“イメチェン”した原田英彦監督(58)の下、第100回大会で甲子園春夏通算100勝を目指す名門が、最高の形で準決勝へ進出した。
全員の思いが一つになり、優勝候補対決を制した。合言葉は「100回大会で100勝」。甲子園春夏通算99勝の龍谷大平安が、乙訓を投打で圧倒。聖地への執念を体現した。
原田監督は「ここに集中していた」。選手はタクトに応えた。二回1死二、三塁でエンドランを仕掛け、二ゴロの間に先制。五回は8安打で8点を奪って試合を決めた。
今夏はベンチのムードが違う。指揮官自ら大声を出し、ガッツポーズ。選手とグータッチする場面も。厳格な姿勢から一変した“仏の原田監督”がいる。
「俺はこの夏、壊れるからな!!」
大会前、選手に宣言した。誰よりも母校に、誇りと愛情を持つ指揮官。何としても甲子園出場を果たすために選手へ歩み寄った。
「昔の感覚では選手がついてこない。選手たちと1日でも長く野球をしたいし、愛おしい気持ちがあるので」
4回戦で大谷に21-0で勝利後のミーティングからは、斬新な試みを始めた。選手が集まった部屋に入るなり、「お前たち、最高だぜー!!」と叫んだ。
これは、東京ディズニーシーのアトラクション「タートル・トーク」に登場するウミガメ「クラッシュ」のせりふ。同アトラクションではクラッシュが「お前たち、最高だぜー!!」と話すと、観客は両手を上げて「うおー!!」と返す。
この日の試合後も原田監督がクラッシュ役となり、ベンチ裏で叫び合った。主将で4番のプロ注目・松田憲之朗内野手(3年)は「監督が笑ってくれるとやりやすい。試合の中でも鼓舞してくれる分、頑張らないといけない」。信頼関係は一層、強固となった。
監督と選手が一丸となり、ムードは最高潮だ。原田監督は今年4月に亡くなったOBで元広島の衣笠祥雄氏(享年71)から昨年11月に激励を受けている。「この夏は絶対に譲れない」。OBの願いも実現する夏の聖地まで、あと2勝だ。
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