永川、大幅減俸でも来季現役続行 カープ低迷期支えたベテラン…再起目指す
広島・永川勝浩投手(36)がプロ16年目を迎える来季も現役続行することが3日、分かった。今季は1軍登板なしで、今季年俸3700万円から減額制限を超える年俸提示を受けるもよう。すでに左膝のクリーニング手術を終えており、かつての守護神が1軍のマウンドでもうひと花咲かせる。
もう一度、1軍のマウンドを目指す。永川が減額制限を超えるとみられるダウン提示を受け入れ、来季も現役を続行することを決断した。地元の広島・三次市出身で、チーム低迷期を支えたベテランを球団も功労者として評価しており、復活へ背中を押した形だ。
プロ15年目の今季は1軍登板なし。だが、野球への情熱は失っていない。昨秋のキャンプで投球フォームを大幅に変更。オーバースローからスリークオーターに変えて、再起を図った。「チームは今が一番いい状態。そこにベテランの僕が入っていかないと」と巻き返しを誓っていた。2軍では24試合に登板し、0勝1敗、防御率4・85。9月14日の中日戦では2/3回を2失点ながら、最速146キロを計測するなど復活の兆しを見せていた。
実直な性格で、若手からも慕われる。野球に取り組む姿勢は最高の手本だ。ルーキーの高橋昂、長井らの若手が台頭し、26年ぶりにウエスタン・リーグを制覇する中、ベテランとして存在感を発揮した。すでに来季への準備を進めている。9月下旬には左膝をクリーニング手術。プロ16年目へ体の不安はもうない。
全盛期はダイナミックなフォームから繰り出す150キロ超の直球と、落差の大きいフォークを武器に守護神として君臨した。06年から09年まで4年連続20セーブをマーク。16年に通算500試合登板を達成。積み重ねた165セーブは球団史上最多の数字だ。
1軍は37年ぶりリーグ連覇を達成し、黄金期を築きつつあるが、投手力には一抹の不安が残る。チーム最多68試合に登板した今村を筆頭に、中崎、中田、一岡、ジャクソンの5人が50試合以上に登板。蓄積疲労が心配される来季は、復活度合い次第で永川にもチャンスが回ってくる可能性がある。
永川は1軍登板なしに終わった12年のオフにも、年俸8000万円から減額制限を大幅に超える4000万減を経験した。だが、13年は29試合、14年は52試合に登板するなど輝きを取り戻した。16年目を迎える来季も、不死鳥のごとくよみがえる。
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