広島ドラ6正随、プロで成り上がる 大先輩・新井さんお手本に
広島からドラフト6位で指名された正随優弥外野手(22)=亜大=が10日、都内の同校で松本スカウト、尾形スカウトから指名あいさつを受けた。今季限りで現役引退した新井貴浩内野手(41)=駒大出身=とはドラ6、東都リーグ出身、右の長距離砲など共通点が多数。後継者の期待に自身も系譜を受け継ぐ覚悟を示した。
会談を終えると、正随はキリリとした表情で一流のプロとなるための決意を示した。「これからが大事。はじめからチャンスをつかみにいく強い気持ちでやっていかないといけない」。そして会見場の隣に座る松本スカウトから込められた期待は、今季限りで現役を退いたベテランの系譜を継ぐことだった。
「最近右打者の長距離打者がなかなかいない。新井さんが辞められたので、穴を埋められるような右打者になってもらいたい」
新井との共通項は右の長距離砲だけではない。広島県出身で、東都大学リーグを経てドラフト6位。後継者としての可能性は膨らむばかりで「期待に応えられるように頑張ります」と覚悟を口にした。
不断の努力で鯉の4番にのし上がり、20年間現役を続けた新井は、もちろん手本になる存在だ。「テレビでとにかく練習をする風景をよく見ていた。自分も練習するのが取りえの一つ。見習って、力がない分練習してはいあがっていけるようにしたい」。変わらず、汗と泥にまみれ続ける思いだ。
原点は少年時代にある。母方の祖父・三原卓三さん(80)は4年間広島でプレー。正随が小学1年で野球を始めたきっかけでもあり、中学までは投手だったが、打者としてもリトルの練習グラウンドでひたすらプラスチック製の球を投げてもらい、打ち続けた。
常に言われていた言葉は「とにかく遠くに飛ばせ」。指名後は「活躍するまで死ねん」と言われており、恩返しする意気込みだ。
大阪桐蔭時代は4番として3年夏の甲子園優勝に貢献。鯉城シニア-大阪桐蔭は日本ハム・中田翔とも重なる。スラッガーとなるべくして、プロの世界に飛び込む。
現在は攻守での練習に加え、ダッシュ系も増やしながらトレーニングに励む。目標は新人王。さらに全国に約10人しかいない「正随」の名字を「読まれないので覚えてもらいたい」と知名度アップももくろむ。「1軍で出てナンボ。チームにこいつがいなくてはいけないという選手になりたい」。新井のように、ドラ6から成り上がりを果たしてみせる。
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