広島・ファビアン OP戦2号は特大弾 上昇気配の初マルチ 新井監督「シーズンでもたくさん、お願い」
「オープン戦、ソフトバンク1-2広島」(22日、みずほペイペイドーム)
開幕に向けて上昇気配じゃ!広島の新助っ人、サンドロ・ファビアン外野手(27)がオープン戦2号となる特大の2ランを放った。ここまでのオープン戦は打率1割台と苦しんできたが、ここに来て対外試合自身初となる複数安打をマーク。新井貴浩監督(48)も状態が上向いていることを感じ取り、ポイントゲッターとして大きな期待をかけた。
左翼席中段まで飛んでいった飛球をファビアンは見つめた。そして満面の笑みを浮かべて一塁へと走り出した。ベンチの新井監督は手をたたき、スタンドの一部を赤く染めたファンも総立ち。上り調子を印象づける特大の一発を放ち、「いいアプローチができて、好きなところに来た球を捉えることができました。本当に良かったと思います」とうなずいた。
0-0で迎えた四回2死一塁で大関の真ん中付近への直球を強振。「1打席目がヒットになった時に自分のスイングができているなと。2打席目は楽に入ることができた」。二回1死での1打席目でも直球に手を出し、バットを折られながらも左前打。今年自身初の1試合複数安打で、開幕へ向けて弾みをつけた。
ここまでのオープン戦は打率・171。12打席連続無安打もあった。変化球を多く配球して勝負してくる日本人投手との対戦の連続。外に逃げていくようなボール球に手を出して打ち取られるシーンはほとんどなかった一方、球を見ようとするあまり、重心が後ろになって差し込まれたようなスイングでの力ない凡打が多くなっていた。
その中で15日の練習中に朝山打撃コーチから「打ちにいったら、(重心を)前に乗せていいんじゃない?」と助言を受けた。米国時代は重心を前寄りにした打撃で結果を出していた。スイングを来日前の形に原点回帰させ、16日のロッテとのオープン戦(マツダ)では待望の“来日初本塁打”。この日も快音を連発し、着実にステップを踏んでいる。
ファビアンは「(朝山)東洋さんから客観的な意見を言ってもらえて自分のスイングも良くなっていると思う」と感謝する。まだ27歳。大きな伸びしろと研究熱心で素直な姿勢が日本人投手への適応を推し進めている。
新井監督は「ここ数試合、反応の仕方、内容も上がってきている」と助っ人を評価し、「シーズンでもたくさん、お願いしたいです。お願いします」とアーチ量産を期待した。昨季は得点力不足に苦しんだカープ。その改善は簡単ではないが、ファビアンが課題克服への突破口となる可能性を秘めていることは間違いない。
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