錦織完勝“8度目の正直”ナダル初撃破
「テニス・ロジャーズカップ」(14日、モントリオール)
男子シングルス準々決勝で世界ランキング4位の第4シード、錦織圭(25)=日清食品=は世界9位の第7シード、ラファエル・ナダル(29)=スペイン=を6-2、6-4で破り、準決勝に進出した。錦織は8度目の対戦で元世界1位のナダルから初勝利を挙げた。15日(日本時間16日)の準決勝では世界3位の第2シード、アンディ・マリー(英国)と対戦する。
錦織は攻撃的な姿勢を貫き、壁を打ち破った。過去7戦全敗のナダルに「勝つには攻めるしかない」と挑み、最後のポイントもフォアをクロスに打ち込んで奪った。「全てが良かった。試合を支配できた」と充実感を漂わせた。
世界ランキングでは上位でも「自分を信じ切れるか不安もあった」と明かした。第1セット、最初のサービスゲームで30-40のピンチをしのぐと第3、第5ゲームでブレークに成功した。「リターンも深く入って攻めていけた。第1セットを取れて信じることができた」と自らのプレーで迷いを打ち消した。
第2セットに入っても、前に踏み込みながらクロスに強打を放ってストローク戦の主導権を渡さなかった。「追いつかれそうになっても、自分から打つのをやめなかった」。これまでの敗戦で学んだ教訓と勝利への執念で、四大大会通算14勝の元王者を振り切った。
ツアーの格付けが高いマスターズ大会初制覇まであと二つ。「いいテニスができている。この調子を保って思い切ってプレーすることが大事。体力的にも精神的にも持ちこたえないといけない。ここからだと思う」。日本のエースは再び視線を鋭くして、A・マリーとの準決勝を見据えた。