男子フルーレ20歳・西藤が銀「東京で絶対金」19歳・敷根は銅「僕が金とりたい」
「フェンシング・世界選手権」(23日、ドイツ)
男子フルーレ個人で、20歳の西藤俊哉が2位、19歳の敷根崇裕(ともに法大)が3位となる快挙を成し遂げ、東京五輪に向けて期待が膨らんだ。前回15年大会の個人を制した太田雄貴に続くメダル獲得で、1大会の個人種目で複数のメダルを得たのは初めて。リオ五輪後に現役を退いた太田の後を継ぐ若手が躍動し、世代交代が順調に進んでいることを示した。
勝利のたびに、雄たけびが会場に響いた。西藤はリオ五輪の金、銅メダリストなど強豪を次々に撃破。決勝ではチェレブチェンコに12-15で屈したが、世界選手権初出場で堂々の銀メダルを獲得した。「(優勝の)チャンスもあったので、そういう面では悔しさも残る」と頂点に立つ絶好機を逃したことを残念がったが「率直にうれしい」と喜んだ。
持ち味の闘志あふれるフェンシングを貫いた。「途中つらくて、心が折れそうな時もあった」と言う。それでも日本フェンシング協会の敷根裕一強化本部長が「大汗をかきながら必死に食らいついていく」と評す泥くさい姿勢で勝利を重ねた。向上した剣さばきの精度も生かし、優勝にあと一歩へ迫った。
今回の準優勝で今後は相手の警戒も厳しくなるが「他の国の選手も研究してくる。それは覚悟の上」と意に介さない。「焦らず着実に3年後を見据えて。東京で金取ります、絶対」。2020年に自国で開催される五輪に向け、力強く宣言した。
19歳とは思えない落ち着きが光った。銅メダルを手にした敷根は「自分の中でも冷静で、ポイントを重ねて勝つことができた」と、世界ランキング上位選手を次々に撃破。「世界のトップレベルの選手にも勝てるという心強さが身についた」と手応えをつかんだ。将来の目標は東京五輪で頂点に立つこと。今回は2位だった同学年の西藤の後塵(こうじん)を拝したが「(東京五輪は)僕が金メダルを取りたい」と夢を膨らませた。