MGC初年度の成果は…。男子は“トラック1周分”の進歩、女子は若手台頭も層薄く
女子の名古屋ウィメンズを終えて、東京五輪代表の選考システム「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」を導入しての初年度を終えた。男子は2月の東京マラソンで2時間6分11秒の16年ぶりに日本記録を塗り替えた設楽悠太(ホンダ)ら13人が19年秋に行われる一発勝負の選考レース、GC出場権を獲得した。
日本陸連の河野匡マラソンディレクターによると、男子は選考会終了時点のタイム上位30人をロンドン五輪シーズン以降と比較すると、30位選手のタイムが1分以上、上がっているという。河野ディレクターは「男子はトラック1周分は確実に進歩している」と、評価。「これで世界と戦える、東京五輪でメダルに繋がるかといえば、それは甘いが」とした上で「もう1周早くなれば世界の背中が見えてくる。クリアしないといけないテーマ」と、見据えた。
一方で女子は1月の大阪国際で松田瑞生(ダイハツ)が初マラソン日本歴代3位の2時間22分44秒、名古屋で関根花観(日本郵政)が同4位の2時間23分7秒と新星が誕生したが、GC獲得者は男子の約半分の6人に止まった。河野ディレクターは「(松田、関根の走りは)東京だけじゃなく、次に繋がるが、全体としては15、16年から変化がない」と、全体的な底上げの物足りなさを指摘した。