貴ノ岩が元横綱日馬富士を民事提訴 2413万5256円請求
大相撲の幕内・貴ノ岩(28)が4日、秋巡業中だった昨年10月に横綱日馬富士(34、番付は当時、すでに引退)から暴行を受け負傷した傷害事件について、同氏に対して損害賠償を請求する民事訴訟を東京地裁に起こした。東京・霞が関の司法記者クラブで代理人弁護士が記者会見を開き事情を説明した。この訴訟の請求金額は2413万5256円としている。
代理人弁護士によると、貴ノ岩とすでに引退している元横綱日馬富士の間で示談が成立せず、東京簡易裁判所に8月に申し立てた民事調停が不調に終わったことを受け「もはや話し合いによる紛争解決ができない」と判断。東京地方裁判所に損害賠償請求の訴えを提起したと報告した。
請求金額の内訳は以下の通り。
【積極損害】入院治療費用等 435万9302円
【逸失利益】
(1)給与差額 148万1840円
(2)懸賞金の逸失 900万円
(3)巡業手当の逸失 38万円
(4)退職時の幕内養老金等の減 172万円
(逸失利益の合計は1258万1840円)
【慰謝料】 500万円
【弁護士費用】 219万4114円
入院治療費等(積極損害)の実費部分を除き、請求金額の根拠となっているのが「逸失利益」。これは、貴ノ岩が事件がなく、力士としての職業を幕内で全うしていたらいくら稼いでいたか、という視点から算出された。懸賞金については幕内に在籍し続けたとして、幕内在籍時の平均懸賞本数を1場所60本から70本と試算。勝率49%、1本6万円として1場所懸賞30本を、休場2場所と懸賞が出ない十両に落ちていた3場所を合計し、5場所分として概算したという。
会見で対応した佐藤歳二弁護士は「サラリーマンのけがでも同じだと思います。収入に影響があるようなけがをさせられたら逸失利益は当然のことだと思います」と主張した。
なお、貴ノ岩や、師匠だった元貴乃花親方の花田光司氏からの談話については「訴えの内容については、もちろん(貴ノ岩)本人に了解を得ていますけど、一切、コメント等はいただいておりません」とした。