吉田沙保里、憧れは「ヤワラちゃん」谷亮子さん目指し“五輪で金”を夢に
レスリング女子で五輪3連覇を達成し、引退を表明した吉田沙保里(36)=至学館大職=が10日、都内で引退会見を行った。「レスリングはもう全てやり尽くしたという思いが強く、引退することを決断いたしました」と報告した。会見ではレスリング選手以外に影響を受けた人物に、柔道の谷亮子さんの名を挙げ、「選手村の部屋に押しかけた」とアテネ五輪での秘話を明かした。
影響を受けた人物についての質問に吉田は「柔道のヤワラちゃんと呼ばれた谷亮子選手でした」と答えた。谷さんは旧姓の田村亮子として92年バルセロナ大会から五輪に出場している。「私も中1中2ぐらいからオリンピックに出て金メダルをとりたいという夢を持ちだしまして。そこから、ずっとオリンピックに、まだ(レスリング女子が)正式種目にもなっていないのにオリンピックに出たいという思いを持っていまして」と自身に夢を与えてくれた存在だと振り返った。
そして、レスリング女子が正式種目となり、自身が初めて出場したアテネオリンピックで、念願かなって初めて直接会うことができた。「選手村の部屋に押しかけて」という形で訪問し、「金メダルを手にとって見せてもらった瞬間は本当にうれしくて、夢がかなったという感じでいました」と懐かしんでいた。ずっと憧れていたことを告白すると、「(何かの)話で聞いたことがあるよ」とそのことを知ってくれていたといい、「金メダルを見せてもらったので、パワーに変わって背中を押してもらった気がします」とあらためて感謝していた。
なお、後に参議院選挙で当選し、政治家となった谷さんのように政界進出を目指すか、という質問には「(関心は)まったくございません」と明確に否定した。