大迫傑、陸連に苦言「私物化やめて」日本選手権1万メートルへの推薦枠申請を却下で
男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(27)=ナイキ=が23日、自身のツイッターを更新し、日本選手権1万メートル(5月19日、ヤンマースタジアム長居)への推薦枠申請を日本陸連に却下されたことを明かした。推薦枠規定の曖昧さや強化委員所属チームへの優遇を指摘し、「陸連を私物化するのはやめた方がいいと思う」と苦言を呈した。
言わずにはいられなかった。調整の一環として出場を希望した日本選手権1万メートル。大迫は「『本連盟強化委員会が特に推薦する本連盟登録競技者』という枠で出場しようと試みましたが、叶いませんでした…」と却下されたことを自身のツイッターで明かした。さらに「『大迫くんが日本選手権でいい走りをするとそれに負けた選手のランキングが下がり、不平不満が出るから』という理由でした。すごい理由だな。笑笑」と率直な思いをつづった。
18年1月1日以降に参加標準記録Aの28分20秒00以内を突破していれば無条件で出場できたが、大迫の持ちタイムは28分26秒41。そのため推薦枠出場を希望した。ツイートを決断したのは、「断られた事が不満なのではなく、却下理由が理解できない事と規定や選考の不透明さを感じたから」だという。
推薦枠の規定について「なぜこの様な項目を入れたのか、おそらく強化委員所属チームのお気に入りの選手を出場させたいから」、「(15年)北京世界陸上の年の日本選手権1万メートル、特定の選手をペースメークする為に外国人選手の出場を認めたが、それは公正を期していると言えるのか」と指摘。「どういう選手が推薦に値するのかちゃんと明記して欲しい」と求めた。
さらに「以前から強化委員所属チームの選手が陸連合宿に優先参加出来たり、陸連計画の遠征に参加出来たりと色々ありましたが、そろそろ陸連を私物化するのはやめた方がいいと思う」と、常々抱いていた陸連への不満をぶちまけた。
日本陸上界の未来を思えばこその問題提起。9月15日に東京五輪のマラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」を控える男子長距離界のエースは、「僕自身にも余計なプレッシャーをかけるし、リスクがある事を理解してほしい。だけど声を上げていかないと、ずっと変わらない」と揺るぎない覚悟を示した。