テコンドー金原会長“潔白”判断の可能性高まる?「現時点で法律、ガバナンス違反ない」
強化方針などを巡って選手と対立している全日本テコンドー協会の一連の問題を調査する外部有識者による検証委員会が9日、都内で金原昇会長への2度目のヒアリングが行われた。直前には強化指定選手5人へのヒアリングも行われた。
体脂肪を減らすのを助けるお茶を手に会議室に入室した金原会長。一部で報じられた反社会的勢力との関係についても聴取された。金原会長は反社ではない証明として経営する会社の決算書、銀行からの借り入れ証明、ゴルフ会員権、保険証書などを提出。ヒアリングを終えた金原会長は「当然、私は反社ではありませんので、できる限りの資料を提出させていただいた」と自信を見せ「(調査は)公正にやっていただいていると思う。協会が良くなるための一歩。真摯に受け止めている」と、うなずいた。
検証委の境田正樹委員長は「現時点では」と前置きした上で「法律違反も、スポーツ庁の定めるガバナンスコードへの違反もない。ハラスメントもない」と、現時点では金原会長は“潔白”であることを明かした上で、「なければ今のままでいいかというとそうでもない。人の入れ替えは必要だと考えている」と、理事再任については含みを持たせた。
選手へのヒアリングでは、代表コーチとのコミュニケーションが取れないこと、合宿参加の際の多額の自己負担金、これまで協会に対して訴えてきた意見に対応してもらえていないことなどの不満が出たという。境田委員長は「協会はそれぞれ一生懸命やっているんでしょうが、そのしわ寄せががすべて選手にいっている。全体の最適になっていない。それが今回の問題の本質だと思う」と、指摘した。
また、財政面の問題が大きいことも指摘。先日行われた千葉GPの開催費を助成金が交付されるまでの間、金原会長が立て替えていることなどから「この協会は本当にお金がない。キャッシュフローがギリギリの状態が何年も続いている」と、明かした。
検証委は今後も調査を進め、今月いっぱいで報告書をまとめる予定。金原会長もあと数回ヒアリングされる見込みとなっている。