バド・桃田、世界最多!国際大会年間11勝 最終ゲーム8連続失点から大逆転V
「バドミントン・ワールドツアー・ファイナル」(15日、広州)
各種目の決勝が行われ、男子シングルスで世界ランキング1位の桃田賢斗(25)=NTT東日本=がアンソニーシニスカ・ギンティン(インドネシア)に逆転勝ちし、4年ぶり2度目の優勝を果たした。今季の国際大会制覇は11度目で、世界バドミントン連盟によると2010年のリー・チョンウェイ(マレーシア)の10度を更新する最多記録。金メダルを狙う東京五輪へ弾みをつけた。
最終ゲームで桃田が窮地に立たされた。5-4から8連続失点。そのまま敗戦してもおかしくない展開で世界王者は違った。相手の姿勢が消極的に映り「変化が見えたので冷静になれた」と質の高いラリーを展開し、7連続得点で追い付く粘りを見せた。最後は21-14と突き放した。
ライバルと認めるギンティンに第1ゲームを奪われた。第2ゲームも攻撃の手を緩めない宿敵との競り合いに「心が折れそうになったが、サポートしてくれている人たちを思い出して、折れるわけにはいかなかった」と自らを奮い立たせ、1時間半近い熱戦を逆転で制した。
4月下旬からの東京五輪出場を懸けた1年間のレースではこれで7勝目。今大会に臨んだ段階で五輪出場を確実にしたが、今回の優勝で獲得ポイントが10万点超となり、今後のレースを欠場したとしても誰も届かないような数字にまで積み上げた。圧倒的な強さで独走状態を築き「すごくきつかったけど、よくやったなと自分を褒めたい」。攻撃的なスタイルを磨いた努力のたまものといえる。
堅守を武器にした昨年からの進化を目指してスピードを強化してきた。「このままだといずれ抜かれて置いていかれる。来年もスピードを上げてコントロールすることをテーマに、もっと上を目指す」。絶対王者は決して現状に満足していない。