柔道・永山が意地の逆転V 左太ももテーピング&痛み止めも…「自分は強いと証明」
「柔道・グランドスラムパリ大会」(8日、パリ)
東京五輪代表選考会の一つで、男女計7階級が行われ、男子は60キロ級で世界ランキング1位の永山竜樹(23)=了徳寺大職=が優勝し、代表争いに踏みとどまった。73キロ級は17年世界選手権覇者の橋本壮市(パーク24)が制し、海老沼匡(パーク24)は5位。女子では63キロ級で鍋倉那美(三井住友海上)が世界選手権3連覇のクラリス・アグベニェヌ(フランス)、48キロ級で18歳の古賀若菜(福岡・南筑高)は2年連続世界一のダリア・ビロディド(ウクライナ)にいずれも決勝で敗れた。
負ければ東京五輪の夢が消えゆく一戦で、男子60キロ級の永山が世界ランキング1位の底力を発揮した。約1週間前の練習で左太ももを負傷し、この日は初戦で痛みが再発。世界ランク20位のロシア選手との決勝は、伏兵の意表を突く寝技を防げず抑え込まれて一本負け寸前だった。
あと6秒で敗戦という土俵際で辛くも逃れ、すぐに反撃。立て続けの豪快な投げ技で合わせ技一本を奪った。患部にテーピングを施し、痛み止めの薬も飲んでいたが「自分は強いということを証明できた」。鮮やかに逆転し望みをつないだ。
最軽量級の代表争いは世界王者3度の高藤直寿(パーク24)がリードし、19年11月のGS大阪大会決勝での直接対決で永山は屈した。「最低でも優勝しなきゃいけなかった」という今大会で頂点を守り、日本男子の井上監督から「地力がある証拠」と評価された。