五輪代表の前田穂南 自己新2位「まだ記録は狙っていける」
「大阪国際女子マラソン」(31日、長居公園)
東京五輪代表の前田穂南(24)=天満屋=は、自己記録を18秒更新する2時間23分30秒で2位だった。優勝して東京五輪代表を決めた2019年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)以来1年4カ月ぶり7回目のマラソンだったが、13キロ過ぎで遅れ、大会新記録で優勝した一山麻緒(23)=ワコール=に2分19秒の後れを取った。
30キロ近い“2人旅”の先に、3年ぶりの自己ベストが待っていた。13キロ過ぎに遅れ始めた前田は、最後までペースメーカーの田中飛鳥(ひらまつ病院)に食らいついていった。3年前の大阪国際で出した2時間23分48秒の自己記録を18秒更新。同じ浪速の地で、自らの壁を乗り越えた。
「自己ベストを出せたのは良かったけど、後半あまり走れなくて長く感じた」。スタート後から一山と並走。13キロ過ぎを境にライバルの背中が遠のいていったものの、身上の粘りが記録となって跳ね返ってきた。
不安要素はいくつかあった。新型コロナウイルスの影響を受け、恒例の米アルバカーキでの高地合宿が実施できなかった。年末年始に痛めた左ふくらはぎからアキレス腱付近は完治したものの、両方の足底に張りが出ていた状態で42・195キロを駆け抜けた。
「練習できていない部分があったので、まだ記録は狙っていける。金メダルを目指して頑張る」。万全ではなかった中、収穫も得た半年後への予行演習。あとは五輪ロードを走り続けるだけだ。