森会長“女性蔑視”発言にIOC声明で苦言「絶対に不適切」 「問題は終了」一転

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が「女性がたくさん入る理事会は時間が掛かる」などと女性蔑視ともとれる発言をした問題で、国際オリンピック委員会(IOC)は9日、オリンピックにおける男女平等に関する声明を発表した。

 「過去25年間、IOCはスポーツにおける女性の躍進に重要な役割を果たしてきたが、これからもそうしていく。この困難な状況において、今まで以上に多様性を尊重することが基本的な価値である」と、IOCとしての立場と成果を強調した上で、森会長の発言について「森会長の最近の発言は絶対に不適切であり、IOCのコミットメントと五輪アジェンダ2020の改革に矛盾している」と、苦言を呈した。

 IOCは森会長が発言を謝罪し、撤回した4日の会見後に「問題は終了した」と、声明を出していたが、国内、海外からの批判は収まらず、改めて火消しのためにIOCとしての立場を示した形となった。

 森会長は3日のJOC評議員会で“女性蔑視”発言を行い、翌4日に謝罪し、撤回した。ただ、辞任は否定し、「皆さんが邪魔だって言われれば、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、そしたら掃いてもらえばいいんじゃないですか」と話し、報道陣に「面白おかしくしたいから聞いてるんだろう」など不機嫌な態度をみせ、国内外から「辞任論」も巻き起こるなど、さらなる批判を浴びている。

 組織委は8日に3日の森会長の発言以降の5日間で大会ボランティア8万人のうち0・5%にあたる約390人が辞退したと発表した。同様に聖火ランナー2人も辞退した。また、組織委のコールセンターには5日間で約4550件(電話350件、メール4200件)の抗議があったと発表している。

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