現役復帰の大迫傑「東京五輪は忘れました」心機一転の再出発、長距離界の起爆剤に

 現役復帰を表明していた東京五輪男子マラソン代表の大迫傑(30)が17日、オンラインで取材に応じた。選手として再出発する上で「振り返らないと言ったらウソだが…。忘れました、東京五輪のことは」と笑い、「新しい感じで、どうしたら(競技者として)改善するかを考えていきたい。東京五輪(後)からスタートで新しい陸上スポーツをつくりあげていきたい」と心機一転、選手としての第2章を踏み出す考えを示した。

 大迫は6位入賞を果たした東京五輪を最後に引退し、競技解説や自身の事業活動を主に行っていたが、今月7日にSNS等で復帰の意向を表明。昨年10月のシカゴマラソンで、親交のあるゲーレン・ラップ(36)=米国=が2位に入る力走を見て刺激を受けたといい、「自分もこういった場で、見ている人がワクワクしてくれるような場所に立ちたいと思ったのが(復帰の)決め手。僕のインスピレーションの熱量が(一定基準を)超えたので、もう一回出場してみようと決めた」と明かした。

 30歳からの復帰とあって肉体的な変化も想定されるが、「やってみないとわからない。衰えがなんなのかは。(世の中の)常識を疑っていけば楽しい」と一笑に付した。「もう一回自分が世界のトップを目指し、背中を見せて引っ張っていくことができれば、より日本陸上界が強くなっていくのでは。あそこ(東京五輪)は1つのゴールだが、世界(のトップ)とどこまで戦えるか挑戦したいのも1つ。これから育っていく選手とともに途中まで伴走できればという思いもある。競技者としても(トップを)狙いたいし、後輩にもトップと取ってもらいたい」。自身の復帰が、日本長距離界活性化の起爆剤となることを期待した。

 復帰レースは未定だが、今秋から来春辺りを想定しているという。

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