朝原宣治氏 頭一つ抜けているサニブラウン 日本選手権初の9秒台決着もあり得る
「陸上・日本選手権」(9日、ヤンマースタジアム長居)
世界選手権(7月、米オレゴン州)の選考会を兼ねて開幕し、男子100メートルは前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(23)=タンブルウィードTC=が準決勝3組を10秒04(追い風0・8メートル)の1着で全体トップとなり、10日の決勝に進出した。世界選手権の参加標準記録の10秒05を突破し、決勝で3着以内なら代表に決まる。2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの朝原宣治氏(49)は今大会のサニブラウンが「頭一つ抜けている」と指摘。10日の決勝での日本記録更新の可能性にも言及した。
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サニブラウン選手の力は頭一つ抜けていました。スタートからの加速とか、その辺りがうまくいけば、日本選手権の決勝として初めて9秒台で勝負が決まることもあり得るほど、調子は良さそうでした。
歩数的には43歩少しぐらいで、2019年の速かったときとおそらく同じほどでした。スタートからダイナミックな動きで、そのまま走っているという感じでした。腰の状態がだんだん良くなってきて、今年のシーズンに向けて、練習がもう一度うまく積めたのではないでしょうか。
桐生選手は少しトップスピードが上がりませんでした。ただ、ぎりぎりで決勝に残ったのは、彼の意地というか、そういうものもあったことでしょう。
小池選手は決勝にきっちりと合わせてきます。サニブラウン選手以外の争いは混沌としていますし、きっちり勝負をかけてくるでしょう。集中力もありますし、勝負強いですから。
決勝では、条件次第ではありますが、サニブラウン選手は日本記録も狙えます。ただ、ある程度力を出しています。条件が整った状態で、追い風とかが吹いたら可能性はあるでしょう。
面白いのは柳田選手と坂井選手です。サニブラウン選手とは差があるとは思いますが、いい走りをしたら、もしかしたら0・1秒以内の差で抑えられるかもしれないと思っています。
サニブラウン選手とタイプ的に似ているのが柳田選手で、同じように後半に出てくる選手です。ストライドもすごく大きくて、歩数はサニブラウン選手と一歩ぐらいしか変わりません。並んで走ると結構面白いでしょう。
坂井選手は初めから足をどんどん回して走ります。後半差されないように、前半にリードを奪わなくてはいけません。
小池選手はピッチで回して、じわじわと出てきます。坂井選手が初めにグッと出て、サニブラウン選手、柳田選手、小池選手が追いかける展開になると思います。それぞれがいい走りをして、いいレースになることを期待します。(2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)
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