羽生結弦さん一問一答(1)「30歳、まだまだやれる」「感覚や技術の脂が乗ってくる時期」
フィギュアスケート男子の2014年ソチ、18年平昌両五輪金メダリストで、プロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(30)が制作総指揮を執る、新ツアー公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd -Echoes of Life-」の初日公演が7日、さいたまスーパーアリーナで開催された。この日は羽生さんの30度目の誕生日。1万4000人の観客が「ハッピーバースデー」を歌って祝福し、温かい雰囲気に包まれた。
公演後の一問一答は以下。
-公演初日を無事終えられて、率直な今の気持ちは。
「とうとう開幕したなっていう感じが一番強いです。本当にたくさん緊張しましたし、もちろんすごく時間をかけて毎日毎日トレーニングも練習も積んできましたけれども、本番になってみてみなさんの前で滑ってみないと分からない。成功なのか、失敗なのかみたいなところもあったので。正直とうとう始まったなっていう気持ちと、まずは初日けがなくストーリーとして、完結できてよかったなと思います」
-『生きる』ということを一つテーマに掲げて制作されたと思いますが、改めてそこに込めた思いや狙いというのを教えてください。
「元々自分が、生命倫理っていうものを、小さい頃からいろいろ考えたり、大学で履修したりしていく中で、生きるということの哲学にすごく興味を持っていました。そこからずっと自分の中でぐるぐるとしていた思考であったりとか、理論であったり、そういったものをまた勉強し直して、皆さんの中にも、この世の中だからこそ、生きるということについてみなさんなりの答えが出せるような、哲学ができるような公演にしたいと思って、Echoes of Lifeをつづりました」
-改めて、お誕生日おめでとうございます。
「ありがとうございます」
-たくさんのファンの皆さんからのハッピーバースデー、バナーもたくさんありましたが、その光景の中で迎えられた30歳いかがでしたか。
「30歳になるんだなあって気持ちと(笑)。今30歳って言われて、30歳かあって思ったんですけど、でも自分が本当に幼い頃からずっと思っていた30代っていうものと、今現在自分が感じている体の感覚や精神状態も含めると、全然なんか想像と違ってたなと思いますし、まだまだやれるなっていう気持ちでいます。Echoesの中でも未来って何とか、過去って何みたいなことがありますけど、本当に未来は自分が想像しているよりももっともっと良くもなるし、今ということの中で最善を尽くしていくことで、自分の中では『30おっさんじゃん』と思っていた頃とは違った30代を迎えることができたなとなんとなく思っています」
-30代の抱負は。
「自分の中ではフィギュアスケート年齢としては劣化していくんだろうなっていう漠然としたイメージがあったんですけど、例えば野球とかサッカーとかに置き換えて考えてみたら、これからやっとその経験とか、自分の感覚であったり技術だったりとかが脂が乗ってくる時期だと思うので、本当に自分自身の未来に希望を持って、絶対にチャンスをつかむんだっていう気持ちを常に持ちながら練習もトレーニングも本番も臨みたいなと思います」