35歳・高安「しびれます」大の里との1敗対決制した 元大関が意地見せた!悲願初Vへ体調の良さが自信に
「大相撲春場所・10日目」(18日、エディオンアリーナ大阪)
平幕の高安が大関大の里との1敗対決を制し、賜杯争いで単独トップに立った。かど番の大関琴桜は一山本にはたき込まれて5勝5敗。先場所優勝の新横綱豊昇龍は右肘痛などで休場した。
35歳の高安が真っ向勝負に勝った。大の里のかち上げにひるまず、押し込まれながら左を差した。相手の上手投げに食らいつき、頭をつけ右で足を抱えるように寄り切った。「しびれます。うれしい」とうなずいた。
1敗対決を制し、終盤戦を単独トップで臨む。好調でも度々腰痛で失速してきたが、今場所は「体の調子はいい。足腰がしっかり働いている」と手応えは十分。支度部屋では片足立ち、3メートルほどのショートダッシュ、重りをかけてかかとの上げ下げ、ボクシングのウイービングなど異色のメニューで準備。独自の調整法を確立し、弱点克服を目指してきた。
兄弟子の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の部屋に大の里が体験入門した際に居合わせ、相撲を取った。「入門した時から知っているので、こういう場で戦えるのは光栄」。兄弟子の弟子とは“叔父”の関係にある高安。これで2戦2勝と年長者の意地を見せた。
初土俵から119場所目。1横綱、2大関を撃破し、優勝制度ができてから史上2位(1位は旭天鵬の121場所)となるスロー初優勝も見えてきた。「体の調子がいいのが一番。それが自信をもたらせてくれる」。高安が目を輝かせた。