マートン大チョンボ!2アウトなのにスタンドにボール投げ入れる
【2011年5月27日付デイリースポーツ紙面より】
「阪神1-4ロッテ」(26日、甲子園)
ひどすぎる。阪神のマット・マートン外野手(29)が八回、右飛を捕球後、アウトカウントを間違え、スタンドにボールを投げ入れるボーンヘッド。このプレーで致命的な4点目を与えてしまった。初回にも連続失策から3ランを被弾。城島が腰痛で欠場する中、借金は09年9月28日以来の「7」となり、交流戦と合わせ“ダブル最下位”に転落した。
甲子園が言葉を失った。見ていた誰もがあっけにとられた。八回1死二塁、清田が放った打球は平凡なライトフライ。だがその直後、信じられない光景が目の前に展開した。飛球を捕球したマートンが、何を思ったのかポイッとボールを一塁側アルプス席に投げ入れてしまったのだ。
アウトカウントを間違えスタンドへボールを投げ入れる痛恨の失策。走者に2個の進塁権が与えられ、タッチアップで三塁へ進んでいた走者の今江はゆっくりと生還した。「ああいうのは論外や」。試合後の真弓監督は珍しく語気を荒らげてが、草野球以下の最悪のプレーで大きな追加点を献上した。
われわれが知っている、強い猛虎はどこへ行ってしまったのか。
「今まで一度もやったことのないプレー。カウントをしっかり見て、ボールがどこに飛んでいったのか、外野手として基本的なことが抜けてしまった。言い訳は何もできない。チームにもファンにもミスを謝りたい」
そうマートンはプロにあるまじき自身のプレーを謝罪した。山脇外野守備走塁コーチは「(本人に)言うたよ。集中力のなさやって」と指摘したが、常に努力を怠らず、グラウンドに立てば100%を出し切る男に、一体何が起こったのか。
プレーボール直後から、この日のチームは何かが狂っていた。初回、先発の岩田が岡田を一ゴロに打ち取ったが、関本がファンブル。「前に出るなりなんとかしたかった。出鼻やったからね」と関本は悔やんだが、続く高浜の投前への送りバントを今後は岩田が一塁へ悪送球。連続失策で無死一、二塁のピンチを招くと、井口に先制3ランを被弾した。
最悪のスタートとなり、この瞬間に選手の緊張の糸は切れてしまったのか。相手先発はエース成瀬。苦手の左腕でもある。故障者続出の自軍は、城島までも腰痛で欠場。痛い初回の3失点に違いないが、試合を放棄するには早すぎる。選手個々というよりは、ナインを鼓舞できないベンチの問題だ。
事実、六回は四球で出塁した上本が足でかき回し1点を返した。「もう悪くても何しても、我慢して点を取っていくしかない」と指揮官が評したように、覇気を感じさせるプレーを続けたけた選手だっているのだ。
最低の試合内容で最下位に転落。首位・ヤクルトとは6ゲーム差しかないのに、もはや完全崩壊寸前のチームを立て直せるのか。真弓監督は「やることをやるしかないやろ!」と言い切った。指揮官の手腕が問われている。
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「阪神1-4ロッテ」(26日、甲子園)
ひどすぎる。阪神のマット・マートン外野手(29)が八回、右飛を捕球後、アウトカウントを間違え、スタンドにボールを投げ入れるボーンヘッド。このプレーで致命的な4点目を与えてしまった。初回にも連続失策から3ランを被弾。城島が腰痛で欠場する中、借金は09年9月28日以来の「7」となり、交流戦と合わせ“ダブル最下位”に転落した。
甲子園が言葉を失った。見ていた誰もがあっけにとられた。八回1死二塁、清田が放った打球は平凡なライトフライ。だがその直後、信じられない光景が目の前に展開した。飛球を捕球したマートンが、何を思ったのかポイッとボールを一塁側アルプス席に投げ入れてしまったのだ。
アウトカウントを間違えスタンドへボールを投げ入れる痛恨の失策。走者に2個の進塁権が与えられ、タッチアップで三塁へ進んでいた走者の今江はゆっくりと生還した。「ああいうのは論外や」。試合後の真弓監督は珍しく語気を荒らげてが、草野球以下の最悪のプレーで大きな追加点を献上した。
われわれが知っている、強い猛虎はどこへ行ってしまったのか。
「今まで一度もやったことのないプレー。カウントをしっかり見て、ボールがどこに飛んでいったのか、外野手として基本的なことが抜けてしまった。言い訳は何もできない。チームにもファンにもミスを謝りたい」
そうマートンはプロにあるまじき自身のプレーを謝罪した。山脇外野守備走塁コーチは「(本人に)言うたよ。集中力のなさやって」と指摘したが、常に努力を怠らず、グラウンドに立てば100%を出し切る男に、一体何が起こったのか。
プレーボール直後から、この日のチームは何かが狂っていた。初回、先発の岩田が岡田を一ゴロに打ち取ったが、関本がファンブル。「前に出るなりなんとかしたかった。出鼻やったからね」と関本は悔やんだが、続く高浜の投前への送りバントを今後は岩田が一塁へ悪送球。連続失策で無死一、二塁のピンチを招くと、井口に先制3ランを被弾した。
最悪のスタートとなり、この瞬間に選手の緊張の糸は切れてしまったのか。相手先発はエース成瀬。苦手の左腕でもある。故障者続出の自軍は、城島までも腰痛で欠場。痛い初回の3失点に違いないが、試合を放棄するには早すぎる。選手個々というよりは、ナインを鼓舞できないベンチの問題だ。
事実、六回は四球で出塁した上本が足でかき回し1点を返した。「もう悪くても何しても、我慢して点を取っていくしかない」と指揮官が評したように、覇気を感じさせるプレーを続けたけた選手だっているのだ。
最低の試合内容で最下位に転落。首位・ヤクルトとは6ゲーム差しかないのに、もはや完全崩壊寸前のチームを立て直せるのか。真弓監督は「やることをやるしかないやろ!」と言い切った。指揮官の手腕が問われている。