さらば日馬富士…個性派横綱が残した“不名誉記録”の数々
横綱日馬富士が、平幕貴ノ岩への暴行問題で引退しました。改めて日馬富士の足跡をたどると、数々の不名誉記録も残した“個性派”だったことがわかります。そして意外な一面も…。
公開日:2017.11.29
大相撲の横綱日馬富士が、平幕貴ノ岩への暴行問題から現役引退しました。改めて日馬富士の残した「記録」を振り返ってみると、その個性派ぶりが浮かび上がってきます。
不名誉な記録…「新横綱」「新大関」連敗ワースト
【2009年1月15日デイリースポーツ紙面】
新大関日馬富士が小結稀勢の里の突き落としに敗れて4連敗を喫した。初日からの4連敗は、新大関としてのワースト記録となった。大関昇進とともに新たにつけた銀色のまわしを、安馬時代に使っていた黒に変えて土俵に上がったが、効果はなかった。
(中略)
「ダメだ。どうしたんだろう。分からない。体が縛られてるみたい」と、暗黒のトンネルに迷い込んだ苦悩の表情が浮かんだ。
以前からライバル視してきた稀勢の里戦。上体だけで突っ込んだ立ち合いから何とか突っ張っていったが、相手の左おっつけに足が出ない。ついていけずに、そのままパタリと土俵中央に倒れた。「うーん、足が出ない。自分の相撲を取ってない、取れてない、取らしてもらってない」とうなだれるしかなかった。
「大相撲九州場所千秋楽」(25日、福岡国際センター)
日馬5連敗 新横綱ワースト
新横綱日馬富士は、横綱白鵬に下手投げで敗れて、9勝6敗に終わった。日馬富士は5連敗となり、新横綱場所としては史上ワースト。また、2桁白星に届かなかったのは、8勝7敗に終わった87年九州場所の大乃国(現芝田山親方)以来の屈辱となった。
低迷の一因に横綱土俵入りを挙げた。「土俵入りが終わって、どう自分のペースに持っていくのか…」。秋巡業から「相撲の神様と向き合う儀式。心が熱くなる」と神聖視していただけに、疲労は想像以上だった。集中力も乱れていた。
日馬5連敗 新横綱ワースト
2場所連続の全勝優勝からの暗転劇。日馬富士は「経験に、勉強になった。わたしはこれから。心と体を鍛えたい」と誓った。
日馬5連敗 新横綱ワースト