「言葉で言い表せないほど被災地に勇気と元気を与えてくれた」。フィギュアスケート男子の羽生結弦が第一線を退く意向を表明したことを受け、地元の仙台市をはじめ、東日本大震災の被災地から、活躍をたたえる声が相次いだ。

　母校・東北高（仙台市）のフィギュアスケート部顧問だった五十嵐一弥さんは「彼なりに被災地へ恩返しをしたいと考えていただろう」とし「常に輝く姿で結果を出し続けた」と称賛した。

　羽生は、１８年に、かつて東京電力福島第１原発事故による避難指示区域だった福島県楢葉町を訪れた。同町立楢葉中の佐藤俊克教諭は「力強い言葉で子どもたちを勇気づけてくれた」と感謝した。

　羽生結弦と名前が似ていることからファンの間で「聖地」として知られ、本人も訪れたことのある神戸市東灘区の「弓弦羽神社」。権禰宜の浅利卓見さん（３５）はプロ転向について「違う頂に登っていくと思うので、本人が納得いくように頑張ってほしい」とエールを送った。

　「前人未到の４回転半ジャンプ（への挑戦）や五輪連覇と、結果だけ見れば順調だったが、他人には分からない苦労があったと思う」

　「男子フィギュアを広く周知させた。今までの競技人生、お疲れさまと伝えたい」