タレントのビートたけし（７０）が２０１９年度ＮＨＫ大河ドラマ「いだてん～東京オリムピック噺～」で、主要登場人物の一人で伝説の落語家・古今亭志ん生役を演じることになり２９日、都内での発表会見に出席した。たけしの大河出演は０３年の「武蔵　ＭＵＳＡＳＨＩ」以来２度目。

　いきなり「どうも日馬富士です」と、この日引退会見を開いた横綱を名乗る毒ガスを発射したたけしだが、「一番尊敬する落語家。この役はうれしくて仕方ない。自分のほとんどの仕事にプレッシャーはかかったことはないけど、久々に夜中に落語をやっている」と“落語の神様”を演じる喜びと重みを告白。「国宝みたいな人。少しでもそんな感じが出ればいいな」と意気込みを明かした。

　「いだてん」は、五輪に初参加した金栗四三（中村勘九郎）と戦後、東京にオリンピックを呼んだ男・田畑政治（阿部サダヲ）という２人の主役を通じて、日本のオリンピックの歴史を描く物語。

　たけしが演じる志ん生は毎回、高座に立つ設定で、落語の語り風に物語をナビゲート。当時の時代背景や志ん生の波乱の人生も、別の形で展開される。ドラマは全４７回だが、本筋と同時進行で志ん生の自伝も進行し、最後は双方がシンクロするという。

　制作統括の訓覇圭氏は「“落語の神様”には、今の世代の神様が一番。志ん生さんをやれるのはたけしさんしかいない」と説明。たけしは「なぜ俺を大河に使ってくれたのか意味が分からない。ＮＨＫの大河収録は長いので頭が痛くなる。どうにならないか」などと毒ガス全開で笑わせた。

　また、脚本を手がける宮藤官九郎とは、若き日の宮藤が北野武監督の映画「キッズ・リターン」に端役で出演していた間柄。本格的なタッグ結成に、たけしは「宮藤さんの脚本とか芝居は嫌いじゃない。台本を見たり打ち合わせをしたりして、世界観が分かる感じになってきた。非常に楽しみ」と、胸をときめかせていた。

　この日は志ん生パート出演者が発表され、若き日の志ん生を演じる森山未來をはじめ神木隆之介、橋本愛、川栄李奈、峯田和伸、松尾スズキと、これまで宮藤作品に出演してきた顔ぶれが集った。