宝塚雪組 朝美絢主演「ほんものの魔法使」開幕
宝塚歌劇雪組スターの朝美絢主演の「ほんものの魔法使」が21日、兵庫・宝塚バウホールで初日を迎えた。アメリカのポール・ギャリコのファンタジー小説を原作のユーモラスで心温まるファンタジーの舞台となった。
クールな2枚目から妖艶な美女まで、幅の広い役柄が特徴的な朝美。今回、魔術の都にやってきた旅人のアダムを演じた。いわゆるいろの濃いキャラではないが、キラキラ光る大きな瞳で観客を引きつけ、人間の持つ想像力の偉大さを訴えた。ヒロインのジェイン役の野々花ひまりも、等身大の女の子の成長を丁寧に演じた。
朝美は、緊急事態宣言中の公演ということもあり、前日のゲネプロでは「このような状況下で、無事、舞台稽古を終えることができました」と安堵した様子も。「出演者一同完走できるよう、千秋楽まで気を引き締めて頑張りたいと思います」と誓っていた。
若手が多い公演で、すでに本公演でも活躍している縣千が、アダムの相棒で、言葉をしゃべる犬のモプシーを演じ、八面六臂の大活躍。犬のコミカル仕草もかわいらしく、客席を沸かせた。また昨年9月に初舞台を踏んだ106期の首席、華世京が臆病なマジシャンのニニアン役に大抜擢。華やかな容姿と、初舞台から8カ月とは思えぬ舞台度胸で、期待に応えた。
6月1日まで。朝美初の関東地区主演となるKAAT神奈川芸術劇場は6月8日~16日。