人気長寿アニメを大物歌手が批判 醜く太った差別主義者に描かれ「脚本最悪」
アニメ『ザ・シンプソンズ』で取り上げられたザ・スミスの元ボーカルで歌手のモリッシーのマネージャーが、その扱いについて批判の声を上げている。
同シリーズの最新エピソード「パニック・オン・ザ・ストリーツ・オブ・スプリングフィールド」で、シンプソンズ家の長女リサは、1980年代のインディーズバンド、ザ・スナッフスのフロントマンに夢中になる。しかしヴィーガンだった彼が、太り過ぎで移民排斥主義の肉食主義者に変わっていたことを知り、リサの夢は打ち砕かれる。
ちなみに同エピソードのタイトルはモリッシーのバンド、ザ・スミスの『パニック』から拝借、フロントマンの声はベネディクト・カンバーバッチが務めていた。
放送後、モリッシーのマネージャー、ピーター・カシスはフェイスブックに次のように声明を発表している。「『ザ・シンプソンズ』の脚本がここ数年、最悪の方向に向かっていて驚いている。人をからかって笑いをとることもある。『サタデー・ナイト・ライブ』など他の番組は、風刺に関して素晴らしい仕事をしている。しかし番組が、シャツから腹の肉がはみ出したモリッシーのキャラクター(彼はキャリアを通してそんな姿を見せたことは一度もない)を登場させるなどして、視聴者に嫌悪の感情を抱かせるさもしい戦略を使うほど落ちぶれた場合、人を傷つける人種差別主義者とはどちらの方かと考えさせられる」
そしてキロビーというそのフロントマンは、モリッシーに似ても似つかないとして、ピーターは続けた。
「更に酷いのはモリッシーのキャラクターをなんの事例も出さずに人種差別主義者と呼ぶ無意味さ。ただアーティストを侮辱しているに過ぎない。『ザ・シンプソンズ』のエピソード『パニック』のキャラクターとは違いモリッシーは中傷されたからと金目当てに訴えたことは一度もないし、素晴らしいショーをし続けている。今も真面目なヴィーガンで、動物の権利を強く主張している。今回のエピソードにおける上記のもの全てを含め、『ザ・シンプソンズ』のストーリーにおける偽善的なアプローチが全てを物語っている」
「創造を止めたのは明らかで、悪びれずに中傷する人種差別主義者になり果てた」
ピーターの声明に対して同番組の上層部はコメントを出していないが、今回のエピソードを担当した脚本家ティム・ロングは以前、そのキャラクターはモリッシーのみを参考にしたものではないと明かしていた。「確かにモリッシー的ですが、ザ・キュアーのロバート・スミス、ジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスなど他にもたくさんの人間の要素が入っています」(BANG Media International/デイリースポーツ)