イチロー「新しいチャレンジ」会見後に選手に交じって打撃練習 現役続行へ意欲

 試合前に他の選手に交じって打撃練習をするイチロー(撮影・小林信行)
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 米大リーグ、マリナーズは3日(日本時間4日)、イチロー外野手(44)が球団特別補佐に就任すると発表した。メジャー登録が可能な40人枠から外され、今季はプレーしないことになった。イチローは本拠地セーフコフィールドで会見に臨み、心境を吐露した。

 背中に「ICHIRO 51」が入ったユニホームで現れた。

 「この日が来る時は僕は辞める時だと思ってました。その覚悟はありましたし」と切り出したイチロー。「ただ、こういう提案がチームの方からあって、決まってから2カ月弱ぐらいの時間でしたけど、この時間は僕の18年の時間の中で最も幸せな2カ月であったと思います」と続けた。

 しっかりとした声。前を見据えて話すその表情に悲しみは見えない。

 開幕から1カ月。シーズン中に現役選手が球団のフロントに入ることは珍しい。引退することなく、来季の復帰を目指すのも異例だ。「短い時間でしたけども監督はじめ、大好きなチームメート、そのチームがこの形を望んでいるのであれば、それが一番の彼らの助けになるというのであれば、喜んで受けようと」。キャンプ期間中の3月初旬にマリナーズと1年契約で合意してからここまでの時間を「とにかくハッピー」と表現する一方で、打率2割台前半と調子が上がらず、出場時間が制限された状況に「それが終わってしまうのかなということも考えました」と苦しかった胸の内も吐露した。

 試合に出場できない寂しさを問われると、「これからでしょうね、もちろん、あると思います」と本音を口にした後、こう続けた。

 「僕は野球の、なんて言ったらいいんですかね、研究者でいたいというか、自分が今、44歳でアスリートとしてこの先どうなっていくのか、っていうのを見てみたい。それはプレーしていなかったとしても、毎日鍛錬を重ねることでどうなれるのかっていうのを見てみたいという興味が大きいので、それは変わらないと思うんですよね。それでチームと一緒に練習できるわけですから、それを続けられること、仮にこれで終わりだったとしても、僕は続けると思うんですよね。だから、喪失感っていうのは実はないんですよね」

 会見後は試合に備える選手たちとともにチーム練習に参加した。ウオームアップをし、最終組でフリー打撃、ベースランニングも行った。来季もプレーできるチャンスがあることに「目標をもっていられるのは大きい」と喜びを口にしながら「新しいチャレンジであることに間違いない」とも表現した。

 この日も本拠地には「51」のTシャツやユニホームを着た多くのファンが詰めかけた。「来年、僕(の体重)が240パウンド(約109キロ)になってたらもう終わり。ただ、その可能性は低いので、そうでなければ終わりではないと思います」とジョーク交じりに現役続行への意欲を示した。

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