江藤光喜は無念…クアドラスに判定負け
「ボクシング・WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(28日、ゼビオアリーナ仙台)
ダブル世界戦が28日、仙台市太白区のゼビオアリーナ仙台で開催され、WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチでは、挑戦者で同級2位の江藤光喜(27)=白井・具志堅=が0-3の判定で、王者のカルロス・クアドラス(27)=メキシコ/帝拳=に敗れた。元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高会長率いる白井・具志堅スポーツジムから初の男子世界王者誕生はお預けとなった。
身長で10センチ上回る江藤はジャブから左フックを狙うが、クアドラスの回転の速い連打に苦戦。4回終了時の公開採点ではジャッジ全員が40-36で王者優勢とした。8回終了時でもポイント差は開き、倒すしかなくなった江藤は9回以降、相打ち覚悟で打ち合いに持ち込もうとするが、フットワークを使うクアドラスを捕らえることができなかった。スコアは117-111が2人、116-112が1人だった。
沖縄出身の江藤は双子の弟・大喜、末弟・伸悟もプロボクサー。「江藤3兄弟」の長男として2008年8月にプロデビューした。13年8月には、タイ・バンコクでコンパヤック・ポープラムック(タイ)に判定勝ちし、WBA世界暫定フライ級王座を獲得。日本ボクシングコミッション(JBC)は正当な理由のないWBA暫定王座を認めていないため、歴代世界王者にはカウントされていないが、それまで日本人選手が17敗1分けと未勝利だったタイでの“世界戦”で初勝利を飾る快挙でもあった。この王座はタイ・チョンブリでの初防衛戦で12回TKO負けにより手放したが、14年6月に東洋太平洋フライ級王座を獲得。今回がJBC公認下で待望の世界戦だった。江藤の通算戦績は22戦17勝(13KO)4敗1分け。
5度目の防衛に成功したクアドラスは35戦34勝(26KO)1分け。「非常に大変な試合でした。KOで勝つつもりだったけど、相手は打たれ強かった」とコメント。最後はリング上から「ドウモアリガトウ」と日本語であいさつした。