町田樹“氷上の哲学者”の言葉を聞け
2014年1月28日
「汝(なんじ)、治むること能(あた)う」と訳されるこのヘブライ語は、町田の今季ショートプログラム(SP)「エデンの東」の原作(ジョン・スタインベック著)に登場する。この言葉のとらえ方は人によってさまざまだが、町田はこれを「自分の運命は自分で切り開く」と解釈。昨年の開幕前の会見で今季のテーマとして披露し、他の出席者全員をポカンとさせた。
ただ、まさしく今季の町田は自ら運命を切り開いていった。シーズン前の評価“ソチ五輪争い第6の男”から急成長を遂げ、3つしかない五輪出場枠をもぎ取った。その中で注目されていったのが、力強く、そして独特なコメントの数々だ。
「僕にとって現状維持は退化」「さなぎからチョウへ、羽化するような進化をお見せしたい」。GPファイナルでSP最下位からフリーで巻き返し、4位に浮上した時には「昨日改めて気づきました。僕の立場は1歩でも下がれば、もうそこは死なんだと。SPの後に断崖絶壁を見ました。絶景でした。怖かったです」「『おい、町田樹、どうするんだ!』と自分に挑戦状をたたきつけた」と、異次元のコメントを連発。名言とともに五輪ロードを突き進んだ。
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