全日・秋山新社長 よみがえるある記憶
秋山準新社長(44)率いる全日本プロレスが、12日の大阪大会から再出発した。現WRESTLE‐1勢と分裂した昨年7月以降の体制では、給与の未払いもあり、“独立”を決断せざるを得なかった。92年に当時の馬場全日本でデビューした秋山社長は「知ってる全日本で一番底辺からのスタート」と現状を分析する。周囲に社長就任を後押しされた秋山社長は家族会議を繰り返した末、決意を固めた。
「全日本プロレスと心中覚悟」と話すなど自覚は十分。弁の立つ頭脳派で、これまでは体制にかみつくイメージが強かったが、立場が変わって責任の重さが身に染みるという。理想の社長像は創設者で師匠の故ジャイアント馬場さん。引き受ける際、最終的に「やるしかねえ!」と腹をくくったという秋山社長にある記憶がよみがえった。
「昔、赤ん坊だったウチの娘を馬場さんに抱っこしてもらったことがあった。そのとき、馬場さんが『この子をずっと笑顔にさせとかなきゃいかんよ。オレもそうだけどな』と笑ったのを思い出した。社長ってそういうもの。社員、選手、その子供も笑顔にさせてあげるようじゃないといけない」
旧体制での“失敗”は繰り返さない。「社員に給料を出せないのは失格。僕はそんなことはしない」。横浜市内の道場&合宿所に事務所を移すなど、当面は“効率経営”を推し進める。「そういうのがサクセスストーリーになればいい。いつか都内に事務所を構えてね。ピンチはチャンス。やってやれなくない」と前向きだ。“風通し”についても「僕が上層部を困らせていたように、下の人間からの困らせる発言を待ってる。しっかり対応していく」と明言した。
諏訪魔(37)、曙(45)ら旧体制から引き続き、全13選手が所属するが、もともと試合内容の評価は高い。秋山社長も「選手の気持ち、パフォーマンスはよそに負けてない」と自信を持っている。新生・全日本“旗揚げ戦”となった12日に、世界タッグ王座を防衛した自身も第一線から退くつもりはなく「選手としても3冠(王座)を目指していきたい」と言い切った。
独立を相談した馬場さん夫人の元子さんが取締役相談役に就任。新体制では王道の原点回帰を目指し、第1弾シリーズのパンフレットの表紙は馬場さんが飾った。
「全日本プロレスとはジャイアント馬場のこと。武藤さん(敬司元社長、現WRESTLE‐1)のときは馬場さんを消そうと思ってたろうけど、どこへ行っても全日本は馬場さん。消す必要もないと思うし、今でも馬場さんが協力してくれてると思う」。来年1月31日に十七回忌を迎える亡き師への思いを口にした秋山社長は「入門から22年になるけど、まだすねかじり」と続けて照れ笑いした。
「22年前には2大メジャー団体と言われていた。いつか新日本と並び立つところまで持っていきたい」。馬場さんが大切にしたファンの信頼を得て、再び隆盛を築いていくつもりだ。
(デイリースポーツ・大島一郎)
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