【野球】四国ILp徳島・石井貴新監督の「気」の指導に注目
プロ野球の独立リーグ、四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスの来季新監督に、元西武の石井貴氏(46)が就任した。
現役時代は「投げる金剛力士像」と呼ばれるなど、闘志あふれる投球スタイルで通算68勝を挙げた石井氏。5日に行われた就任会見でも「向かっていく姿勢、逃げない姿勢を伝えていきたい」と、NPBを目指す若い選手たちに気持ちの強さを植え付ける考えを強調した。
07年に現役引退後、西武で1、2軍の投手コーチを6年間務めた。退団後は解説者としてプロ野球を外から眺め、母校・藤嶺藤沢高(神奈川)でも指導。徳島からのオファーには「やれるかどうか迷いはあった」と振り返ったが、「監督という立場は見える景色が違う。新しいチャンレンジ。一歩踏み出した」と、熟考の末に就任を決断したという。
今年、徳島は独立リーグ日本一に輝き、伊藤翔投手(西武3位)、大蔵彰人投手(中日育成1位)の2投手をNPBに送り込んだ。石井氏も「NPBに1人でも多くの選手を出したい」と意気込む。若い選手たちの夢を後押しするため、合理的な投球フォームやブルペンでの調整法、けがを防ぐ肩のトレーニングなど、現役時代から培ってきたノウハウを注ぎ込むつもりだ。
石井氏の兄・章夫氏は社会人野球の日本代表監督を務めており、「守備からの野球を教えてもらっています」と身近な手本としてアドバイスを受けることも多い。座右の銘は「気」の1文字。「NPBは思い切りのいい選手を求める。きれいに抑えようとか、きれいに打とうとか思わなくていい。結果を気にせず、大胆に野球をやってほしい」。熱く語る新監督の手腕に注目したい。(デイリースポーツ・浜村博文)