名城、僅差の判定負け…現役引退へ
「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(1日、住吉SC)
挑戦者で元同級王者の名城信男(30)=六島=は、王者のテーパリット・ゴーキャットジム(23)=タイ=に0‐2で判定負けを喫し、日本選手5人目となる3度目の世界王座獲得はならなかった。9回以降の終盤は名城が優勢だったが、中盤までに王者へ許したリードが響いて逆転できなかった。「負ければ引退」と表明していた名城は、試合後にあらためて引退を示唆した。
名城は完全燃焼して引退する。最終回まで全力で戦い抜いたが、判定は23歳、若き王者の3度目防衛を認定した。「勝者がいれば、敗者もいる。それがボクシング。悔しいが仕方ない(負けたら引退すると言っていた)気持ちに変わりありません」。2度目の王座返り咲きに失敗した30歳は、結果を潔く受け入れた。
両者ともKO勝ちを意識してリングに上がったが、ポイントを奪い合う接戦になった。ボクシング人生をかけた名城は「後半は追い詰めたが、中盤でもう少しポイントを取れていると思った」と試合を振り返った。
初回のジャッジは優勢だったが、その後、8回まで王者が主導権を握り、追いかける立場に甘んじた。9回から名城がスパート。「王者は後半になると下がった。会長にも『行け』と言われた」。最終回までジャッジは優勢だったが、逆転を目指すには遅すぎた。
名城を引退へ追い込む結果に、枝川会長は納得しない。僅差の判定を受けて、試合後にWBA立会人のシン・ヤンソップ氏が、ダイレクトリマッチの可能性をほのめかした。「直接の再戦ができるなら、もう1回、名城のチャンスを考えたい」。ジムで最初に誕生した世界王者の花道を、華やかに飾りたい親心だ。
この日は11年1月に生まれた長女の柚希ちゃん(1)が、智子夫人(30)と一緒に初めて父の試合を観戦した。「娘はずっと寝てました。引退のことを家族で話したことはありません。チャンスが巡って来ない若い人のことを考えれば当然かな」と妻は夫に引退を勧める。
名城が2度目に王座を陥落したのは10年5月。ダイレクトリマッチには「何も考えられない」と心は揺れる。それでも、子供にチャンピオンベルトを巻く姿を見せることなく“侍”は、このままグローブを置くことになりそうだ。
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