長谷川3-0完勝!来春にも3階級挑戦
「ボクシング10回戦」(22日、神戸市立中央体育館)
元世界2階級王者・長谷川穂積(32)=真正=は、ノンタイトル10回戦でアルツロ・サントス(26)=メキシコ=を3‐0の判定で下し、3度目の王座獲得に向けて弾みを付けた。WBC世界バンタム級指名挑戦者決定戦では、マルコム・ツニャカオ(35)=真正=が7回TKO勝ち。現王者・山中慎介(帝拳)への挑戦権を獲得した。
「ボクシング人生最後のノンタイトル戦」と位置づけて臨んだ世界前哨戦。負ければ引退の可能性もあった一戦に判定で勝利した長谷川は、充実の表情を浮かべていた。控室では「倒したかったなあ。すんません」とおどけてみせつつ「でも勝ったからいいです」と率直な感想を漏らした。
試合は激しい打ち合いになった。ロープに追い詰められる場面も目立ったが「背負った方がカウンターを取れると思って、あえて」と説明した。観戦した父・大二郎さんは「これでは世界で勝てない。倒さなアカン」と話す一方で「左ジャブが出るようになった」と成長も感じ取っていた。
苦境をはねのけての勝利だった。7日の公開練習では左すねにサポーターを巻いて登場。「今だから言えるけど、3週間前に肉離れして、練習できない時期もあった。負けたら言い訳にしようと思ってた」と、冗談交じりで打ち明けた。
今後はフェザー級か、スーパーバンタム級の王座を狙う。長谷川は「どっちでもいい。チャンスがある方で」と王座返り咲きに意欲。「時期は来春か」と問われた山下会長は「それくらいにやりたいね」と話した。
長谷川をプロモートする帝拳ジムの本田会長は「スーパーバンタムは難しい。(WBC現王者)アブネル・マレス(メキシコ)と1回話したけど、絶対日本に来ない」と断言。「呼べるとしたら、WBCフェザー級のダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)」と話しており、国内での世界戦ならフェザー級が現実的だ。
試合後のリングで、ファンに向かって盛大に約束した。「(チャンピオンベルトを巻くのは)僕の仕事。再就職したいです!!」。3度目の栄光を手にする日は近い。