世羅りさ 女優とレスラー二足のわらじ
「アイスリボン」(15日、広島県立産業会館・東館)
広島県世羅町出身の女子プロレスラー・世羅りさ(22)が、15日に広島市南区の広島県立産業会館・東館で行われるアイスリボン広島大会(広島リボン)で、ICEx∞(アイス・クロス・インフィニティ)女王の藤本つかさに挑戦する。父親の奥田正和さん(51)は、世羅町の町長を務める。凱旋興行で戴冠を目指す。
がっちりした体と舞台女優として活躍する美貌を兼ね備えた世羅は、故郷のリングで女王・藤本つかさに挑戦する。「初のアイスリボン凱旋興行であり、父の日なので親孝行するつもりでベルトを獲りたい」と、特別な思いでタイトルマッチに臨む。
父・正和さんは、世羅町町長。「昔から私がやりたいといったことに反対はしなかった。大事に育ててくれました」と感謝を口にする。高校まで広島で育っただけに凱旋興行に「地元の人に見てほしい」と、故郷への強い思いを口にした。リングネームに町の名前を採用、登場する際に身につけているマントに町章を入れて故郷をPRしている。
高校卒業後、声優タレント学科の専門学校に進学するため上京した。プロダクションにも所属する女優だったが、転機は映画のオーディションだった。プロレスを題材とした「太陽からプランチャ」への出演条件がプロレスデビューというもので、一昨年にリングデビューした。映画出演のためのデビューだったが、アイスリボンの興行を見て「こんなに感動できるんだ」と号泣し、マット界に本格参戦を決意した。
「もともと剣道をしていた」と運動神経は良かった。しかし「こんなに太くなかったんですよ。首とか太くなっていくし、肩回りも筋肉がついていると思います」と、現在も舞台女優を務めるが、レスラーとしての体になった。「女優は演じることしかない。プロレスはやられたらやり返す」と目を輝かせた。
広島では2度目の戦いとなる。3月に大日本の興行で初めて凱旋試合を行った。その時の相手が藤本だった。初の凱旋試合は敗れただけに、地元での“リベンジマッチ”に燃えている。「やられたらやり返す」‐。プロレスの魅力通り、女王撃破で父に勝利をプレゼントする。