長谷川現役続行“神トレ”と出合い決断
ボクシングの元世界2階級王者でWBC世界フェザー級8位、IBF同15位の長谷川穂積(34)=真正=が2日、神戸市内で現役続行を表明し、12月11日に神戸市立中央体育館でフェザー級10回戦を行うことを発表した。相手は世界ランカーに絞り今月中にも決まる見込み。完勝クリアなら来年、世界再挑戦する意向だ。
34歳、長谷川は自信満々に現役続行を表明した。「強くなっている自分がいた。強くなった自分を自分自身が見てみたい。強くなっているのに辞める必要はない。それを試す場所は試合しかない」
前戦後、知人の紹介で始めた大阪・豊中市の「B2ファクトリー」でのトレーニングが決め手だった。同施設はゴルフの松山英樹、プロ野球阪神の西岡剛ら一流アスリート御用達。バイクトレなどで瞬発力、スピードがアップし、体幹トレで体の軸がぶれない。週2回通うだけで「スタミナ、筋力すべての箇所を総合的に上げる効果を実感した」と言う。
「内山(高志)さんもこれで強くなった」。ダイナマイトの異名でKO量産する世界スーパーフェザー級王者も35歳。長谷川も進化できることを確信した。
引退覚悟で臨んだ5月9日、1年ぶり再起戦。世界9位、無敗のホープ、ガルシアに大差判定の完勝。試合直前に右足首のじん帯を断裂しながら、圧倒的不利の下馬評を覆した。
見事な復活劇だったが「あの試合だけにかけていた。満足もあった」と試合後、気持ちは引退に傾きかけた。それでも自ら命名した「チャンピオントレーニング」と出合い8月、続行を決断した。
前戦同様、世界ランカーの強豪を5人程度ピックアップ。今月中にも相手は決まる。12・11前哨戦を完勝でクリアすれば、来年には世界に再び挑む意向。「かなうならモンティエルにリベンジしたい」。バンタム級V11を阻まれた宿敵の名も口にし闘志もメラメラ。世界の覇権争いにレジェンドが舞い戻った。