山中 足で勝つ!具志堅氏からフットワークの重要性を再認識 V13戦へ万全仕上げ
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(15日、島津アリーナ京都)
元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(61)が持つ世界戦連続13回防衛の日本記録に挑む山中慎介(34)が9日、都内で練習を公開した。今回の防衛戦ではいつにも増してフットワークを重要視しているが、それに気付かせてくれたのはくしくも具志堅氏だった。調子もうなぎ上りで、万全の状態で大一番を迎えるつもりだ。
ネリ陣営も見守る中で行われた公開練習。2ラウンドのスパーリングを「普段打たないアッパーを多めにしときました」とジョーク交じりで振り返った。
今回の調整では不安もあった。だが「10日くらい前から足が意識せずに動ける状態に持ってこられた」と手応えを口にし、「足が動けばいいパンチを打ち込める。ここで(調子を)上げれば、と体に染みついている」と経験の強みを強調した。
ネリ対策のカギはフットワーク。大和心トレーナーが「回転力、連打力があるので相手の距離で闘わせたくない」と言えば、山中も「自分は足ありきのボクサー。中間距離で足を止めすぎないようにしたい」と肝に銘じて仕上げてきた。
山中がフットワークを再認識したのは、4月に具志堅氏と初共演した関西ローカルのバラエティー番組。「芸人さんが口に付けた紙風船をパンチで割る企画で、オレは止まってパッと割ったんです。具志堅さんは遠い距離からフットワークで勢いつけてパッと割った。あ、オレ最近このフットワーク忘れていたって気付かせてくれたんですよ」と言う。
「記録に向けて一つテーマができたな、という瞬間でしたね」。大記録がかかる試合を前に、記録保持者その人から大きなヒントを得るという因縁の不思議さをかみしめた。