王者ウバーリは18人きょうだい!拓真撃破に自信「知性でも戦術でも勝る」
「ボクシング・WBC世界バンタム級王座統一戦」(7日、さいたまスーパーアリーナ)
ボクシングWBC世界バンタム級暫定王者の井上拓真(23)=大橋=と対戦する同級王者ノルディーヌ・ウバーリ(33)=フランス=が1日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。
ウバーリは18人きょうだいという大家族の13番目で、6番目の兄アリ氏がトレーナーを務める。来日前にカザフスタンで3週間、拓真に似た選手らとのスパーリングを重ねたといい、「今はやる気に満ちている。日本の観客の前で自分が何ものであるかをお見せしたい。カザフスタンでしっかり練習したので完全に整っている状態だ」と好調をアピールした。
拓真を「いいボクサーだと思っている。スピードがあり、非常によく動く」と評価しながらも、「これまでの相手にはもっと大変な選手もいたが、今回は世界戦なので軽く見ているわけではない。勝ってベルトをフランスに持ち帰りたい」と王座統一に自信。「あらゆるシナリオに対応出来るように準備を重ねてきている。自分の特徴は相手に合わせて臨機応変に対応するところ。前に出ても引いても的確にパンチを当てることができる」と戦いをイメージし、アリ氏も「拓真選手よりも知性の面でも戦術の方でも勝る」と話した。
イスラム教徒で礼拝の時間が迫っていたため、練習はシャドーボクシングとミット打ちを数分間披露したのみ。だが、回転の速い連打を繰り出すなど、マチュアで200戦以上重ね、北京、ロンドンと五輪に2度出場した豊富な経験の持ち主らしさを感じさせた。
視察した拓真の父・真吾トレーナーは「やっぱりアマチュア(経験)が長いので、全体的にコンパクトにまとまっている」と評価。大橋ジムの大橋秀行会長も「ちょっと見ただけだけど、連打を打ってもぶれない。体幹が相当強いんじゃないか。からだも馬のサラブレッドみたいなすごい筋肉をしていた。恐らく持久戦になる」と警戒を強めた。