２３日に行われた格闘技ＯＮＥの日本大会（さいたまスーパーアリーナ）で、キックボクシングルールで対戦予定だった初代Ｋ－１スーパーウエルター級王者のマラット・グレゴリアン（３３）＝アルメニア＝の計量失格により試合中止となったＳＢ世界スーパーウエルター級王者の海人（２７）が２４日、自身のインスタグラムを更新した。大会後にＯＮＥのチャトリＣＥＯが、違反を犯した相手ではなく、キャッチウェイトでの試合を受け入れなかった海人を非難するコメントを発したことを受け、「今すぐ謝れ。そして、発言を取り消せ」と抗議した。

　この試合は、グレゴリアンが前日計量で尿比重を計測するハイドレーションテストの尿サンプルを制限時間以内に提出できず、その後、制限時間後に提出したものの、３５０グラムの体重超過で計量失格。さらに、ＯＮＥによればキャッチウェイトの交渉をしたものの海人が受け入れず不成立となり、大会当日になって試合自体の中止が決まった。

　ただ、この一件に関しての団体トップの発言が波紋を呼んでいる。チャトリＣＥＯは「注目だったカードだったが、中止になり大変残念。（海人は）一番簡単な道を選んだんだと思う」と失望感を口にし、「海人がキャッチウェイトに合意せず、試合が実現しなかった。（海人が）恐れを持っているから戦わない道を選んだのではないかと思っている」と、ルールを守った側を非難。「（グレゴリアンの体重超過は）わずかなものだったので、戦うチャンスはあったと考えている。海人はファイトマネーは全額もらっている。本当のファイターだったら戦うべき。５パウンド（約２・２キロ）違ったらわかるが、（超過は）３００グラムだけ」と規定体重を超過したグレゴリアンを擁護し、矛先を海人に向け続けた。さらに、最後には「海人は（今いる）小さなプロモーション（興行）で試合をすべきだ」と悪らつな捨てゼリフまで吐いた。

　会見での“暴論”を受け、ＳＮＳでは格闘技関係者やファンからチャトリ氏を非難する声が多く上がっている。

　海人は大会から一夜明けたこの日、インスタグラムで、ＯＮＥとチャトリ氏のアカウントにリプライする形で英文での“抗議文”を投稿し、「私は逃げなかった。逃げたのは相手だ。正式な体重測定がなかった。ちゃんと測っていれば試合ができたのに、正式な体重測定もなく隠された体重で試合するのは間違っている」と主張。チャトリ氏の捨てゼリフについても「他の団体を揶揄したことに謝罪と撤回を要求する。何を言ってるの？私が参戦した団体は素晴らしい組織だ。馬鹿にされるのは我慢できない。ＯＮＥよりもプロフェッショナルだし、契約を守ることができない選手を逃す団体はプロフェッショナルではない。今すぐ謝れ。そして、発言を取り消せ」と怒りをにじませた。