引退直前にデイリー連載で振り返る 長州力のアレトーーク!【前編】

6・26後楽園で引退する革命戦士・長州力。2011年4月から7月までデイリー紙上で連載していたコラム「ハイスパート人生 長州力なう」から抜粋して、様々なアレに対して語った長州のホンネをお届けしたい。

公開日:2019.6.24

 「昭和のプロレス界を駆け抜けた長州力が、現役として己の人生を突っ走っている。『現在』に軸足を置いた幅広い視点から、東日本大震災の被災地やリング、海外での体験、かけがえのない音楽や映画、仲間を描き、そこから長州力の『真実』をあぶり出す。」という趣旨で始まった連載。この前編では、政府の震災対応への怒りや拉致問題への言及など、プロレスラーとしてのインタビューではあまり語られることのなかったであろう時事問題への発言などを中心にまとめてみる。

東日本大震災1カ月半後に連載開始 初回から「キレてますよ!」

【第1回(11年4月26日)より抜粋】 今こそ、政治家が原発から20キロ圏内に入って、不眠不休でがれきを掃除しに行けって!国会でああだこうだ言ってる間に片づけろって!!ほんと、ぶちキレてますよ。

福島第1原発から20キロの警戒区域。限界ギリギリ路上で“ど真ん中”に立つ長州=福島・南相馬市

【第2回(11年4月27日)より抜粋】 震災発生から1週間くらいは右往左往していたんだけど、東北道の開通に合わせて行けるところまで行こうと。いろんな人に連絡して集められるだけの物を集めて現地に向かった。プロパンガスがすごく必要になるんですよ。荷台に詰めるだけ詰め込んで走ってたんだけど、まだ道路に段差がいっぱいあるから、ガン、ガン、ガンとプロパンがぶつかり合ってる音が背中で鳴ってるんです。爆発はしないだろうけど、怖かったですよ。

ボランティアで偶然、大仁田とバッタリ

【第36回(11年6月15日)より抜粋】 さらに南相馬市の原町第2中学校に移動しました。福島第1原発事故で「緊急時避難準備区域」に指定された20―30キロ圏内にある避難所です。そこに現地で不足しているトイレットペーパーを運びに行ったんですが、ばったり、大仁田厚に会ったんです。本当に偶然で、びっくりしましたよ。
 彼とは少し言葉を交わしただけで、僕は段ボール箱をボランティアの人と一緒に校舎の中に運び入れて、現場を離れました。しかし大仁田がまさかいるなんて思わないから驚きましたよ。

原発から半径30キロ圏内の避難所で偶然の再会を果たし、互いに驚きの声を上げる長州(左)と大仁田=福島・南相馬市の原町第2中学

【第38回(11年6月17日)より抜粋】 那須に鳩山(由紀夫前首相)の別荘があるでしょう。困っている人たちに住まわせてあげればと思いますよ。天皇陛下だって那須の御用邸のお風呂を避難者に開放されたんですから。
 スリッパも履かずに、避難所の体育館に入られて、おじいちゃん、おばあちゃんときちんとお話しされている。それをニュースで見て、日本の人は救われましたよ。天皇陛下様には感謝したいです。僕は君が代、歌いますよ。歌いたくない人は何でなのかと思いますね。

南相馬市の避難所で肉を焼きました。炎天下の炊き出し、暑かったけど、いい汗かきましたよ(連載時のキャプション)

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