英名物ブラックキャブ存続の危機 配車アプリ成長で
【ロンドン共同】スマートフォンのアプリを使った配車サービスの成長に押され、ロンドン名物の黒塗りタクシー、通称「ブラックキャブ」が存続の危機に立たされている。英シンクタンクの報告書によると、政府が支援策を打ち出さなければ20年以内に姿を消す可能性がある。英紙ガーディアンが19日報じた。
米配車大手の「ウーバー」やエストニア発の「ボルト」などは手軽さが受け、人気が高まっている。一方、報告書によると、ロンドン交通局の認可を取得したブラックキャブは2013年~14年の2万2810台から、23年~24年には1万4470台に減少した。
現在、新たに認可を取得できるのは温室効果ガスを排出しないゼロエミッション車のみで、費用の負担も問題化。ブラックキャブの運転手になるにはロンドンに関する高度な知識が求められ、難易度の高い試験を突破しなければならないというハードルもある。
シンクタンクはブラックキャブについて「ロンドンの街並みの基本的な部分であり、歴史の一部にしてはならない」と指摘した。