睡眠時無呼吸の恐れ、自覚し運転 名古屋高速のバス横転炎上
名古屋高速道路で22年8月に大型バスが横転・炎上して2人が死亡、7人が負傷した事故で、事業用自動車事故調査委員会は21日、調査報告書を公表した。事故で死亡したバスの男性運転手は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の恐れがあると自覚していたが運行会社に相談しておらず、意識レベルが低下したまま運転を続けたと指摘。症状を把握していなかった会社側にも問題があるとして、健康管理の徹底を求めた。
報告書によると、運転手は21年3月に受けた適性診断で「SASの恐れが非常に高い」とされ、ふらついた走行で苦情を受けたこともあった。事故直前、車線をまたいだ運転をしており、SASの影響で居眠り運転していた可能性がある。
運行会社の「あおい交通」(愛知県小牧市)は診断結果を軽視し、詳細な検査を受診させなかった。また、同社の運行基準図には、実際の規制よりも高速の記載となっている箇所が複数あり、速度超過を誘発した可能性があるとした。
事故は走行中のバスが分岐帯に衝突して横転・炎上し、バスの運転手と乗客1人が死亡した。