最高裁判事不訴追は「不当」 原発判決で弁護士グループ
東京電力福島第1原発事故の被災者らが国に損害賠償を求めた訴訟で国の責任を否定した最高裁判決を巡り、担当した2人の判事の罷免を求め訴追請求した弁護士らは17日、請求が認められなかったと明らかにした。「さしたる議論もなく請求を棄却したのは不当だ」と批判している。
最高裁判決は2022年6月に出された。福島など4県で起こされた訴訟の統一判断で、3訴訟では二審段階で国の責任を認めていた。
弁護士6人とルポライターの鎌田慧さんら計10人は「最高裁判決は下級審の判決を否定して独自の事実認定を行い、国の責任を否定する判決を出した」と主張。「(原審の事実認定に拘束されるという)民事訴訟法が定める上告審の規律に違反しており、職務上の義務に著しく違反したとの罷免理由に当たる」として、草野耕一、岡村和美両判事の罷免を求める訴追請求を昨年8月、国の裁判官訴追委員会に申し立てた。
委員会は昨年12月末に訴追しないことを決めたという。