高安、平成生まれ初の金星 土俵際逆転
2013年3月13日
平成生まれの力士として史上初めて金星を手にした23歳。「ちょっと実感はわかないです。体勢は悪かったけど、あきらめなくてよかったです」。支度部屋でも表情を緩めなかった。
平幕の力士が横綱をかち上げるのはタブーとされる。だが「気持ちで折れたら体がついていきませんから」と遠慮はしなかった。11年11月に死去した先代鳴戸親方(元横綱隆の里)は、稽古場でも本場所同様の相撲内容を求めた。兄弟子稀勢の里の顔にも両手突きを見舞ったこともある。亡き恩師の教えを胸に金星につなげた。
場所前の3日、日馬富士が出稽古に訪れた。だが、横綱のお目当てだった稀勢の里が負傷。「いつでもいける準備をしていた」という高安が、代役に指名された。申し合いは3勝14敗だったが本場所で恩返し。「そういうのも結果として表れていると思う。すごく自分のためになりました」。稽古への真摯な姿勢。それが高安という男だ。