名跡証書3親方未提出 最悪解雇も
日本相撲協会は20日、両国国技館で理事会などを開いた。公益財団法人への移行に伴い、年寄名跡の一括管理に乗り出したが、この日の期限までに名跡証書を提出できなかった親方については、危機管理委員会で引き続き調査するとした。2014年の初場所初日(1月12日)の新たな期限までに提出できない場合、北の湖理事長(60)=元横綱=は「厳しい態度で臨む」と解雇を含めた厳罰の可能性を示唆した。
相撲協会によると名跡証書が未提出なのは熊ケ谷(元十両金親)、鳴戸(元幕内隆の鶴)、春日山(元幕内浜錦)の3親方。また、手元に証書がないといわれた間垣親方(元横綱2代目若乃花)は前日の19日に協会に出向き、事情を説明した上で健康上の理由により同日付で退職、この日の理事会で承認された。
評議員会に先立って行われた年寄総会の席上で、証書を提出できなかった親方から経緯などの説明があった。親方衆からは「(未提出は)やむを得ない」という意見も出たという。また、先代親方と名跡証書の返還をめぐって係争中の春日山親方は、「年寄総会でこちらから事情を説明させてもらいました。他の親方衆にはご迷惑をかけていると思います」と神妙な表情で語った。
今後は、未提出の親方に対して危機管理委員会が調査することになる。協会では来年の初場所初日を新たな期限に設定。年末年始をはさむため、時間的な猶予は少ない。北の湖理事長は「新公益法人としてスタートするために、このことは未提出者個人の問題などではなく、協会として正面から向かい合って対処する大きな問題と捉えております」と強いリーダーシップを発揮する構えを示し、厳罰も辞さない姿勢だ。