鳥谷、2000安打に王手 最終回不屈の一撃、甲子園で決める!
「広島6-4阪神」(7日、マツダスタジアム)
偉業に王手だ。阪神の鳥谷敬内野手(36)が九回に左前へ、1999本目の安打をはじき返した。阪神では藤田平以来2人目となる生え抜きでの2000安打に、あと1本。8日からは本拠地・甲子園で3位・DeNAとの3連戦が待っている。広島には痛恨の3連敗を喫したが、立ち止まっていられない。背番号1が勝利に導く一打で、虎党とともに自らを祝う。
あきらめない姿勢を示したかった。なすがまま、王者に敗れるわけにはいかなかった。2点を追う九回、広島の守護神・中崎から鳥谷が放った意地のヒット。通算2000本へ王手をかける一打で反撃ののろしを上げたが…痛恨の同一カード3連敗に「明日、頑張るしかないんで」と厳しい表情を崩さない。
敗色濃厚の九回、先頭で迎えた第4打席だった。「回の先頭だったし、何とか塁に出ることだけを考えて」と背番号1。カウント1-1からの3球目、外角から入ってくるスライダーをきれいに逆方向へはじき返した。
ワンバウンドで左翼前方の芝生に弾んだ通算1999本目の安打。ビジターパフォーマンス席の虎党が沸き返り、球場全体の空気は確かに変わった。第1戦、第2戦と最後まで食らいついた猛虎打線だけに、この日もという期待感は確かに沸き立った。
結果的に後続が打ち取られ、同一カード3連敗を喫したが、片岡打撃コーチは言う。「3連敗はしてしまったけど、最後の最後まで本当に選手はよくやってくれた」。最後の1アウトを取られるまで、攻めの姿勢を貫いた。それを主力の鳥谷が九回の打席で示した。残り19試合につながる一打。背番号1がプロ生活で培ってきた信念もそこにある。
毎日、試合に出続けていく中で大切にしている最終打席の内容。「次の日につながっていくところもあるので」と語っていた鳥谷。結果を追い求めるからこそ、どんなに点差が離れていても修正が必要なら修正する。ゲームの中で、1打席たりともムダにしてこなかったからこそ、虎の生え抜きでは史上2人目の偉業が手の届く位置まで来た。
甲子園で通算2000安打を達成すれば、阪神の選手としては初めて。ただ本人は試合後、記録への意識を否定し「試合に勝つことだけを考えてやります」と力を込めた。2位を争うDeNAに勝って連敗を4で止める。チームが勝つためにヒットを打つ-。そのハートは、どんな状況に立たされても揺るがない。
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