まだわからないよね
【11月24日】
坂本勇人がジャイアンツ広報を通じて発したコメントが反響を呼んだ。「やられたら、やり返す。倍返しだ!」。坂本の少年野球時代の友人から、生来の負けず嫌いっぷりを聞いたことがあった。
ドラマ「半沢直樹」のセリフを真似てジョークっぽく聞こえたりもするけれど、きっとマジだろうし、坂本の負けん気に勇気づけられたG党も多かったのでは?
今年の日本シリーズは圧倒的にソフトバンク優位を予想する野球評論家、世間の声も多かったので余計に坂本の反骨心に火がついた…そう勝手に想像している。
ダルビッシュ有は24日、自身のツイッターでこう呟いていた。
「ソフトバンクが圧倒的な2連勝をしたからか、日本シリーズが終わったかのようなツイートをよく見るのですが、まだ2試合しかしていないからわからないよね」
第3戦の結果にダルビッシュがどんな反応するのか楽しみだし、国民的スポーツに一喜一憂できる世の中を幸せに感じる一方で、そろそろ当欄のシーズン前予想も検証しなければ…と思ってみたり。
矢野燿大の負けん気を知りながら、あろうことか!僕は今季のセ・リーグ優勝をDeNAと予想した。それはもうブーイングも浴びたし、それでもデイリーか!との声もいただきました、はい。
そもそも、あえてこんなオッサン記者が予想せんでもいいんだけど、自分に取材のハードルを課そうと数年前から続けている。予想するからには、阪神以外の戦力、練習内容やオープン戦もしっかり見なければいけないので。
で、優勝はDeNA。阪神は2位で巨人はそれ以下…ってな見立てをしたんだけど、結果はご存じの通り。T・オースティンの離脱も痛かった…なんて言い訳はしませんよ。巨人がぶっちぎりで突っ走ったのだから、総合力をみくびっていたとしか言いようがないわけで。勇人主将…ごめんなさい。
毎年外しまくりやなあ、おい!と自虐的に反省しながら、小声ででもね、選手個々の予想はね…なんて呟いてみようかな。
1面を大きく割いて「あいつは今年やる!」なんて見出しが躍れば、余計なプレッシャーになるかもだけど、2面端っこの当欄くらいなら…そんな思いもあって、開幕前に言い切ってみた。
大山時代到来。のちに、20年をそう振り返りたい-。
20年、プロ野球キャンプインの「取材ノート」(2月2日付)でそう書かせてもらったのだ。
オープン戦首位打者の大山が開幕スタメンから外れたときは、なんて日だ!と当方のメンタルまでやられかけたけど、「まだ1試合しかしていないからわからない」と、ダル風に気を取り直し…。
悔しさを負けん気に変えた背番号3の「倍返し」が今季の成績に繋がったと理解すれば、あの日のベンチウォームも意味がある。
シーズン中取材できなかった大山に、最終戦が終わった後、連絡させてもらった。来年こそ、ねっこり大山を取材したい。彼の時代が到来したのだから。=敬称略=
