元主戦騎手が明かす“最強ポニー”ナリタブラ“リ”アンの強さ 森安さんの元へ今なお届くファンレター
みなさんはナリタブラ“リ”アンをご存じだろうか?かの有名な3冠馬ではなく、1993~95年にテレビ朝日系で放送されたバラエティー番組「さんまのナンでもダービー」で活躍し、その圧倒的強さから一躍人気者となった“世界最強”と呼ばれた芦毛のポニーだ。既にこの世を去り、放送から約30年たった今なお、ファンレターが半年で50通も届くという人気ぶり。同馬の主戦騎手で現在は調教助手の森安輝正さん(65)と、森安さんの所属厩舎である加藤和宏調教師(68)に話を聞かせてもらった。
人気が再熱したきっかけはSNS。昨秋に加藤和厩舎がXとインスタグラムを開設し、現在Xのフォロワー数は5万人を超えた。馬の様子などを積極的に投稿するなかで、バズったのが森安さんの投稿。JRAの騎手を引退後、堀厩舎で調教助手をし、定年後にアルバイトとして同厩舎の助手になった森安さんの苦労人話が競馬ファンの心をつかんだ。以来、厩舎に「ナリタブラリアンの森安さんへ」と書かれたファンレターが届くようになったという。
ナリタブラリアンのことを尋ねると、森安さんは「勝負どころを知っているみたいな感じで、自分からグッとハミを掛けて走る」と笑顔。しかし最初から“最強”だったわけではなかったという。「いや~最初は(人を)乗せなくて。鞍も着けさせなくて、ひっくり返っちゃったり。馬運車も乗らなかった」と苦笑い。かなりの暴れん坊だったが「怒りながらもだんだん仲良くなった。徐々に馬が良くなっていくので、楽しみにしていた」と調教を重ねて絆を強めたと明かした。
戦績は10戦3勝。競走馬や人間が相手の異種混合レースを主戦場としていても、連対率は5割を誇った。強さの秘けつは「飲み込みが早いから。すぐああいう風に走れるようになった」と森安さん。レースで対戦したことのある加藤和師も「どっちかっていうと一生懸命走るタイプ。ポニーってあんまり言うことを聞かないんです。自由奔放で…。でもナリタブラリアンだけは素直で。力もあるし、敵わない」と絶賛した。
普段は猛スピードで走るサラブレッドに乗っている騎手にとって、ポニーはかわいかったのではと思って尋ねると、加藤和師は「小さいだけでかわいくないです。サラブレッドの方が純粋です」と大笑い。森安さんも「反抗しますからね、ポニーはね」と同調するようにうなずいた。調教をすればサラブレッドは意思疎通ができるようになるが、ポニーにはそれが難しいという。ダービーを制したことのある師も「ポニーには慣れない!」とお手上げ状態だった。
今後の目標を聞くと、「競馬に携わっているファンに少しでも恩返しがしたい」という優しい師らしい返答が。その言葉通り、2人は今、空き時間にファンレターの返信に励んでおり、「手紙というよりサインを書いて送る。ファンに2人でサービスしようって」と笑い合っていた。一方の森安さんは「70過ぎまで(馬に)乗りたいです。よろしくお願いします!」と隣の師へペコリ。ちゃめっ気たっぷりの“最強のアルバイト”と、真面目で優しい師のコンビの笑い声が美浦に響いていた。(デイリースポーツ・野里美央)
◆森安輝正(もりやす・てるまさ)1959年3月15日生まれ、千葉県出身。79年に騎手免許を取得し、同年4月に初勝利。「さんまのナンでもダービー」でナリタブラリアンの主戦騎手として人気を博した。86年に森安弘昭厩舎に移籍し、2002年に引退。引退後は森安厩舎や堀厩舎で調教助手をし、昨年定年退職。昨春から加藤和宏厩舎でアルバイトとして調教助手をしている。
◆加藤和宏(かとう・かずひろ)1956年3月4日、北海道出身。75年に二本柳俊夫厩舎所属騎手としてデビュー。85年にシリウスシンボリでダービーを制した。2005年に引退して調教師に。JRA元騎手で調教師の加藤士津八師は長男。
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