2023.12.15

競馬ギガ盛ブログ「ＪＡＺＺ」（１２月１５日）

　こんにちは、松浦さんにお譲りいただいた自転車の後輪がパンクしたルーキー小田穂乃実です。今週は水曜日から取材をしていましたが、自転車をこぐ度に「パコンパコン」という音がするのです。まさか……と思い、恐る恐る後輪を見てみると、かわいそうに、タイヤは膨らみゼロで私の体重を支えていました。せっかく頂いた栗東トレセンでの大切な相棒。早いところ修理に出して、また愛用したいと思います。

　そんな重たいペダルをなんとか踏んで向かった先は、今週の日曜阪神５Ｒ（芝１８００メートル）で何ともおしゃれな名前の新馬がデビューする辻野厩舎。馬房のネームプレートに目をやると、ローマ字でかっこ良く「ＪＡＺＺ」の文字が。父はルーラーシップ、母はカンタービレという血統です。額には大きな流星があり、鼻のてっぺんは薄ピンク。おめめはクリクリで、とっても愛らしいお顔をしています。

　担当されている元ジョッキーの清山宏明さんは、元々角居厩舎にいらっしゃったので、ジャズのお母さんである、カンタービレを間近で見て、そのレースぶりにともに一喜一憂されてきたお一人。「もともと携わらせていただいていた馬の子を担当させていただけるのは、本当にすごいことだよね。やっぱり思い入れは強い。とにかく無事にデビューできるようにって気持ちでやってきたよ」と、優しい笑顔の裏に熱い思いがこもっています。

　そして、ご存じの方も多いと思いますが、清山さんは１７年菊花賞を制した、キセキも担当されていらっしゃいました。「ジャズの馬主さんは、キセキと同じ石川さんなんだよね。本当にたくさんの縁があって、もう家族のような感じですよね。こういう巡り合わせに感謝しながら、いい形でデビューを迎えられるように」と感慨深げでした。

　そして、気になる仕上がりを尋ねると、「まだ幼い部分はあっても、もともと持っている性格の良さから、教えたことをしっかり受け止めてくれています。一つ一つの課題をクリアして、学習してくれていますね。レースへ向かうにつれて、反応や仕上がりは１段階アップしています」と順調な調整ぶりをお話してくださいました。

　競走馬はいずれ引退して、ターフを去ることになりますが、熱い思いや夢がその子に引き継がれていく。清山さんにお話を聞かせていただき、改めて競馬の中にある、たくさんの物語や深いつながりを感じました。日曜は阪神競馬場でお仕事なので、パドックで堂々と歩くジャズと清山さんの姿を、目に焼き付けたいと思います。