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ボクシングのワタナベジムは14日、7月16日に埼玉県春日部市総合体育館でダブル世界戦を行うと発表した。同市出身のWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(32)=ワタナベ=が、同級7位のマイケル・ファレナス(フィリピン)と5度目の防衛戦を行い、WBC世界フライ級1位・五十嵐俊幸(28)=帝拳=が、同級王者のソニーボーイ・ハロ(フィリピン)を相手に世界初挑戦。五十嵐は故大場政夫氏以来となる、帝拳ジムのフライ級世界王者がかかる。
伝説のボクサーの魂を受け継ぐ。「フライ級で世界となると大場さんの名前が出る」と五十嵐。帝拳ジム初の世界王者(WBAフライ級5度防衛)で、1973年に現役王者のまま交通事故死した大場氏以来の期待がかかる。
長年にわたって同ジムのマネジャーを務める長野ハルさんからは大場氏の遺品も託された。昨年11月の指名挑戦者決定戦前に渡された長野さん手作りの毛糸の“減量着”。五十嵐は「『使って』と言われたけど、恐れ多くて使えない。次の試合も会場まで持って行く」と、汗がしみ込んだ遺品をお守りにする。
相手のハロは3月に、日本でもなじみのあるポンサクレック・ウォンジョンカムからTKOで王座を奪った。強打の右ファイターに対し「向こうは乱打戦でくる。自分はスピードとフットワークで対抗したい」と、攻略のイメージを描いた。
アテネ五輪ではボクシングで唯一の日本代表だったこともあり「04年はアテネ、08年は日本暫定王座を取った。4年周期の運があるので、取れるかな」と自信の笑み。五輪イヤーに新たな伝説の扉を開く。
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