【関本四十四の目】Gいまだ2桁得点なし…交流戦開幕カードが巨人の今後を左右する
巨人は交流戦前最後のカードとなった本拠地での広島戦で、痛恨の3タテを食らった。首位・広島とのゲーム差は5・5に広がり、直接対決の成績は1勝10敗。ファンの心境を考えると、これだけ屈辱的で腹立たしいことはないだろう。
広島のチーム打率・278に比べ、巨人はリーグ最下位の同・237。まだ5月とはいえ、開幕から2桁得点が一度もないという事実から、今年も貧打を解消できる気配は感じられない。実際に球場で広島打線と比較して見ると、スイングの力強さも鋭さも違いは歴然としており、選球眼や機動力も含めて攻撃力では太刀打ちするのは難しい。
とはいえ、まだ90試合以上も残している。どうすれば上位の広島、阪神の上にいけるのか。チームの特徴に合わせて勝てる方法を探っていくしかない。
就任2年目の高橋監督。ここまでスタメンやベンチ入りメンバーを我慢強く固定している傾向にあるが、そろそろ方針転換する時期に来ているのではないか。打線は相手投手との相性や調子によって日替わりで組み替えながら1点を取りに行く。かつてロッテを率いたバレンタイン監督がこの戦術で日本一を勝ち取ったが、大胆な選手起用でチームを動かしていってほしい。
チーム防御率3・26は、阪神に次ぐリーグ2位だ。1点ずつ積み重ね、それを投手陣が中心になって守り抜く。今年、1点差ゲームは4勝9敗とリーグで最も負け越しているが、接戦に持ち込んで選手をやりくりして勝っていくのが今の巨人に合った戦いだろう。
チームの競争意識を高めるために、投手陣を含めて1、2軍の入れ替えも積極的に行う必要がある。開幕から泣き所の二塁手は中井を中心に起用してきたが、2軍で好調の山本がカンフル剤になる可能性もあるだろう。
交流戦でいきなり戦う相手は、絶好調の楽天だ。相手のホームで何とか勝ち越したいところだが、初戦の菅野で負けるようだと、ズルズルと行ってしまう危険性すら感じる。巨人にとって、楽天3連戦は非常に重要な戦いになるだろう。(デイリースポーツ評論家)
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